2018年7月22日(日)

議員年金の復活は許されない

2018/1/23 22:23
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 これをお手盛りと言わずして何と言うべきか。与党の国会議員が議員年金を復活させるための法案を今国会に出す方針だという。

 確認しておきたい。国会・地方議会議員への年金の復活は許されない。納税者が主体的に監視を強めるべきだ。

 国会議員互助年金は2006年に廃止法が自公両与党の賛成で成立した。給付費のうち税財源が70%を超す優遇は見直したが、完全廃止ではなかった。当時、小泉純一郎首相と野党民主党は完全廃止を主張したが与党が押し切った。

 地方議会議員年金は民主党政権時代の11年に廃止した。市町村合併による議員減で掛け金収入が落ち込み、積立金が底を突くのが確実だった。議長会など「業界団体」は住民の税負担による存続を求めたが、片山善博総務相が主導して廃止法案を国会に出した。

 議員年金は受益者が議員自身だけに廃止には高い障壁を乗り越えねばならなかった。その苦労を思い起こせば復活は言語道断だ。

 議員は自営業者と同じように国民年金の対象だ。事業主に雇われておらず、厚生年金を適用するのは無理がある。不十分だというなら、国民年金基金や確定拠出年金などに入ればよい。

 議会が有為な人材を集めるために年金が必要だという声がある。竹下亘自民党総務会長は「元議員にはホームレスや生活保護の受給者がいると聞く」と語っている。仮にそうだとしても年金の復活につなげるのは飛躍がある。

 なり手が見つかりにくいなら会社員などが議員を兼ねやすい環境を整えるのが筋だ。地方議会は議事運営を簡素にして開催を平日夜や週末にするのが一案だろう。従業員に長期休職制度を設けるなど企業側にも工夫の余地がある。

 国の財政状況は非常事態だ。少子高齢化を乗り切ろうと、社会保障と税制は現役世代の負担を上げ高齢層を中心に給付の伸びを抑える制度改革のただ中にある。これを国難と呼んだ首相自身が党内を説得し、事態を収めるべきだ。

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