2018年12月10日(月)

TPP経済圏へ道筋固めよ

2018/1/22 22:04
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米国が抜けても環太平洋経済連携協定(TPP)の意義はきわめて大きい。米国を除く11カ国は目標とする3月の署名に向け、交渉の総仕上げをするときだ。

11カ国による首席交渉官会合が始まった。11カ国は昨年11月、米国を含む12カ国で合意したオリジナル版TPPのうち、ルール分野から20項目を凍結することで大筋合意した。

今回はそれ以外で継続協議となっている項目の扱いを決め、新協定「TPP11」を確定するのが目的だ。日本政府などは3月に署名式を開催したい考えで、それまでの実質的に最後の大きな交渉機会になるとみられている。

焦点はカナダの対応だ。カナダは自国の文化保護を理由に、映画など外国産コンテンツへの規制を残すよう主張している。しかし、これを認めてしまえば貿易自由化に逆行しかねない。

一方でカナダが決着に難色を示すと3月に署名式を開けず、その後の国内手続きも遅れることが懸念される。日豪が中心となってカナダとの間合いを詰め、合意を導いてほしい。

TPPは21世紀型の自由貿易圏をつくる試みだ。モノにかかる関税の大半を撤廃するだけでなく、電子商取引や知的財産、国有企業などの分野で規律の高いルールを定めているのが特徴だ。

とくに電子商取引では、国境を越えるデータの自由移動を確保するとともに、データを保存するサーバーを国内に置くよう外国企業に要求することを禁じた。

対照的な動きを見せているのは中国だ。昨年、外国企業が中国で集めた顧客データは中国国内で保存するよう義務づけた。

「デジタル保護主義」ともいうべきこうした動きが他の新興・途上国に広がるのを防ぎ、公正な貿易ルールの礎となる役割が、TPPには期待されている。

世界の自由貿易・投資協定のモデルとしての価値を損ねないよう、11カ国は来年の発効に向け道筋を早く固める必要がある。

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