2018年6月21日(木)

NHKは業務効率を高めよ

2018/1/22 1:09
保存
共有
印刷
その他

 NHKが2020年度までの経営計画を策定した。焦点だった受信料の一律引き下げは見送り、インターネットを活用したサービスの拡充や、4K・8Kと呼ぶ超高精細な放送に力を入れるという。

 ネットを通じた動画配信サービスが普及するなど、視聴者が情報を手に入れる手段は大きく変わった。こうした変化に対応するのは理解できるが、業務が際限なく広がることには懸念を覚える。

 NHKの事業収入は17年度に7118億円に達する見通しだ。5年前と比べると500億円あまり増え、さらに20年度は7300億円超まで増やす計画だ。

 収入が増えても一律の引き下げを見送る理由として、石原進経営委員長は「一度値下げすると再値上げは難しい」ことを挙げた。

 広く国民が支える公共放送の性格を考えると、業務効率を高めて負担は最小限にとどめるべきだ。資金が必要になったら改めて説明し理解を得るのが筋である。

 NHKは4K・8K放送を始めるためにチャンネルを増やすが、事業を広げるだけでなく、重要性が薄れた業務は縮小すべきだ。職員の負担を減らし、番組の品質を保つためにも見直しは急務だ。

 欧州では、英BBCがネットを活用したサービスの拡大にあわせてチャンネル数を減らした例などがある。NHKの上田良一会長は「チャンネル数も含め議論する必要がある」としており、検討を急ぐ必要がある。

 視聴者が多様な情報を得られるようにするため、メディア企業の健全な競争環境を整える必要もある。NHKの蓄積した技術やコンテンツを民間企業に開放し、多様なサービスの提供につなげることなども検討課題になる。

 NHKが本格開始を望んでいるテレビ番組のネットを通じた「常時同時配信」は、放送法の改正が前提になる。放送法が施行された1950年と現在では環境が大きく変わっている。本質的な議論を進め、時代に合った公共メディアの枠組みをつくる必要がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワード



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報