2018年9月19日(水)

米国の株高を支えるお金を生かす経営

2018/1/22 1:09
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 2018年に入ってからも米株式相場が堅調に推移している。米経済の鏡ともいえるダウ工業株30種平均は史上初となる2万6000ドル台をつけた。

 株価上昇を支える要因の一つは、業績好調な米企業が賃上げや雇用・投資増に動いていることにある。米企業のお金を生かす経営は、デフレ脱却を目指す日本の企業の参考にもなる。

 米調査会社トムソン・ロイターによれば、17年10~12月期の米主要企業の利益は前年同期に比べて約10%伸びたもようだ。世界経済の拡大を映して、アナリストの事前予想を上回る好決算が例年より多いのが特徴だ。

 人への投資を増やす企業も目立つようになった。金融のウェルズ・ファーゴや通信大手AT&Tは、従業員の賃金や報酬を増やす。小売業ウォルマート・ストアーズのマクミロン社長は「(経営の)根底にあるのは人の力」と述べ、賃上げや研修を通じた人材育成の重要性を強調した。

 設備や研究開発に積極的にお金を投じる例も多い。米IT(情報技術)企業の代表であるアップルは、米国内の人工知能(AI)事業などに今後5年で300億ドルを投じる計画を表明した。

 トランプ米大統領の税制改革によって米企業は法人税の負担が軽くなり、海外にためた余資を自国に還流しやすくなる。米企業がさまざまな投資の積み増しに動くのは、トランプ減税を経営基盤を充実させる好機と捉えているからと考えられる。

 株主の力が強い米国は企業が目先の株主還元を重視しすぎるあまり、国内での人材や設備への投資が後手に回っているとの指摘があった。そんな米企業のお金の使い方が変わりつつあることに、もっと目を向けるべきだ。

 経営基盤が強くなれば、長期の視点に立つ年金などの投資家の評価が高まる。お金を生かす経営は株主利益にも合う。

 100兆円超の手元資金を持つ日本の上場企業も、人やモノに資金を投じる余力はおおいにある。株主への利益還元だけでなく、人材の確保や育成、研究開発の充実を投資家が求める構図は米国市場と共通している。

 企業が起点となりお金の巡りを良くすることが、経済活性化の要諦である。日本企業は最高値圏の米株式市場から、そんなメッセージを読みとるべきだ。

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