2018年6月26日(火)

インド太平洋戦略を日豪で

2018/1/20 20:40
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 来日したオーストラリアのマルコム・ターンブル首相は安倍晋三首相との会談で、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する圧力を高めることで一致し、航空自衛隊と豪空軍による初の合同演習を年内に実施することで合意した。

 北朝鮮問題に加え、中国が海洋進出を活発にする一方で米国が内向きの姿勢を強めるなど、太平洋からインド洋へと広がる地域の安全保障環境は大きく変わっている。日豪の連携強化は当然で、具体的な協力を加速すべきだ。

 首脳会談では「訪問部隊地位協定」(VFA)の大枠で合意することも、日本側は目指していた。交渉を詰め切れず「できる限り早期」の妥結を目指す意思を確認するにとどまったのは、残念だ。

 VFAは、自衛隊が豪州に出かけたり豪軍が日本に来たりする場合の法的な取り扱いをあらかじめ定め、共同訓練や災害救助活動などを円滑にできるようにする枠組みだ。細部まで整えるのは容易でなく、実務レベルの話し合いをさらに緊密にする必要がある。

 ターンブル首相は陸上自衛隊の習志野演習場を訪れ、対テロ作戦などを担う「特殊作戦群」の訓練を視察した。日本の安全保障の司令塔ともいうべき国家安全保障会議(NSC)にも出席した。いずれも異例で、日豪の協力の深まりを内外に印象づけたといえる。

 豪州では近年、短期の政権が続いている。ターンブル首相は第2次安倍政権が発足してから4人目の豪首相だ。ただ、外交・安保政策の基本は揺らいでいない。

 安倍首相が唱える「自由で開かれたインド太平洋戦略」にとって重要なパートナーといえる。両国の同盟国である米国、さらにはインドも加えた連携が動き出しているが、これを実のあるものにしていかなくてはならない。

 米国をのぞく11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)の早期発効を目指すことでも、両首脳は一致した。将来の米国の復帰に向け地ならしをするうえでも、日豪の協力は欠かせない。

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