2018年2月18日(日)

仮想通貨の健全な発展に国際協調を

社説
2018/1/21付
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 この1年間で仮想通貨は急速な発展をとげた。日本では値上がり益を期待した個人マネーが流入したビットコインが有名だが、それ以外にも世界で仮想通貨の種類や取引規模は急拡大している。一方、先進国だけでなく、新興国・途上国で中央銀行がデジタル通貨発行を検討する動きも出ている。

 仮想通貨では、最近のビットコインの急落など投機マネーの動きが注目されるが、仮想通貨に使われるブロックチェーンは様々な分野に応用が期待される技術だ。金融とITの融合は、新産業を生み、経済の効率化にもつながる。

 日本では昨年4月に施行された改正資金決済法で取引所に登録を義務付けた。ただ、その後広がった仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)をどう扱うかなど新たな課題も浮上している。

 海外では、米国でビットコインの先物取引が始まり、イーストマン・コダックが仮想通貨の発行を発表した。一方、韓国は仮想通貨取引所の禁止を検討し、ブラジルはファンドの仮想通貨への投資を禁じた。

 金融の技術革新を促進し、新規参入を促すには過度の規制は望ましくない。ただ、世界的に仮想通貨の取引が広がるなかで、規制・監視などで金融当局間の国際協調が必要な段階にきたといえる。

 各国で同じ規制を一斉に入れる必要はないが、仮想通貨の普及とその影響、健全な発展に必要な規制について当局間で情報交換を進める必要がある。仮想通貨はマネーロンダリング(資金洗浄)に使われる恐れもあり、その対策には国際協力が不可欠だ。

 国が発行するデジタル法定通貨にも新たな動きがある。先進国ではスウェーデンなどが先行しているが、最近目立つのは新興国・途上国だ。中国はロシア、インド、アフリカ諸国などと組んでデジタル法定通貨の研究を始めた。

 銀行制度が発展していないアフリカでは現金を持ち運ぶより安全なデジタル通貨への需要がある。中南米ではエクアドル、ウルグアイのほか、経済危機で高インフレに苦しむベネズエラで大統領がデジタル通貨発行を提案して注目を集めている。

 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などで、仮想通貨やデジタル法定通貨の金融システムや金融政策への影響について意見交換し監視を始めるべきだ。

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