2018年8月19日(日)

機密費開示のルールづくりを

2018/1/19 23:14
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 何でもかんでも秘密にすべきではない。ときの政権が自由に使える機密費の使途をめぐる訴訟で、最高裁がこんな判断を初めて示した。監視の目が届かないと不正が起きがちなのは官民を問わない。妥当な判決だ。

 機密費は正式には内閣官房報償費と言い、2017年度予算では12億3000万円が計上されている。極秘情報の提供者への報酬などに充てるためとされる。

 こうした経費は、どこの国にもある。誰にいくら払ったのかをいちいち公開していたら、まともな情報網はつくれない。不安定な国際情勢などを考えれば、決して無駄なカネではない。

 ただ、官房長官の経験者によれば、外遊に行く与党議員の餞別(せんべつ)などにも使うそうだ。過去に機密費の出納簿と目される書類がネットに流出したことがあったが、政府高官の出身校のOB会費まで載っていた。完全非公開が甘えを生むのだろう。

 最高裁は機密費関連の書類のうち、会計検査院に提出する報償費支払明細書などは情報公開法に基づく請求があれば、一部は公開して差し支えないと判断した。月ごとの機密費の使途を類型別に合算したもので、情報源は明かすことにはならないからだ。

 類型別の使途が公開されるとなれば、公私混同のおそれのある支出はしにくくなる。

 一切明かせないとしてきた国の言い分が否定されたのだから、この機会に与野党で話し合って公開の範囲をきちんと法律で定めてはどうだろうか。

 米国では情報公開法の趣旨に沿って、国の機密文書が順次公開されている。米中央情報局(CIA)がかつて自民党に秘密資金を渡していたなど、いまの外交関係に影響しそうな文書でも出す。

 日本は機密費に限らず、機密文書の公開に消極的だ。書類の存在さえ否定することがある。これでは機密費が有益に使われたのかが検証できない。25年ぐらいで自動的に公開するルールが必要だ。

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