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外国人の娯楽消費の拡大を

2017年の訪日外国人が前年比19.3%増の2869万人になり、過去最高を更新した。それに伴い年間の消費額も17.8%増の4兆4161億円と、初めて4兆円を超えた。しかし1人あたりの消費額は15万3921円にとどまり、2年連続の減少となった。

政府は20年の訪日外国人の人数と消費額について4000万人、8兆円を目標に掲げている。達成するには1人あたりの消費額を20万円に増やす必要がある。

消費が伸び悩めば住民などが経済効果を感じにくくなり、「交通機関が混む」といったマイナス面への不満ばかり膨らむ可能性もある。旅行者の満足度を高め、消費の開拓につなげるべきだ。

経済協力開発機構(OECD)が16年に公表した国際比較によれば、米国、カナダ、フランス、ドイツを訪れた外国人観光客の消費のうち、8%から10%を文化鑑賞や野外活動など「娯楽サービス」への支出が占める。日本の場合は1%台だ。伸びしろは大きい。

外国人観光客が日本の音楽公演やスポーツの試合を見ようとする場合、チケットの買いにくさが壁になる。電子チケットを導入し、海外からネット予約できるようにすれば、コンビニエンスストアなどでの発券手続きが不要になる。来日後、チケットを簡単に購入できる販売店の充実も望まれる。

演劇などの鑑賞時に電子端末を貸し出し、多言語の翻訳字幕を表示するといった方法もある。さまざまな場面でIT(情報技術)を最大限に活用すべきだ。

国立公園や神社、城など、自然や文化財の活用法も工夫したい。米欧の観光先進国には元ガスタンクや修道院など、産業遺産や歴史的建築をホテルや商業施設に転用し人気を集めている例は多い。

これまで手薄だった富裕層向けの施設やサービスの充実、知名度が低い地方の祭りに関する情報発信、深夜時間帯の公共交通の整備など、工夫の余地はたくさんある。慣習や前例にとらわれず、柔軟な発想で取り組みたい。

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