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大西洋のマグロ管理に学べ

大西洋・地中海でマグロ類などの資源管理にあたる国際機関(ICCAT)は、2018年のクロマグロ漁獲枠を2万8200トンと昨年より2割増やした。漁獲管理が奏功し、資源量が回復したためだ。大西洋の成功例を太平洋での資源回復にいかしてもらいたい。

大西洋の漁獲枠の拡大は4年連続で、最も削減された11~12年の2.2倍になる。ICCATは19年、20年も漁獲枠を増やすことで合意し、20年の漁獲枠は3万6千トンまで拡大する。同海域での日本の漁獲枠も増える。

かつては大西洋でも乱獲が止まらず、10年のワシントン条約会議では禁輸措置が提案された。危機感を強めた漁業国は体重30キログラム未満の未成魚を原則禁漁とし、流通過程で漁獲証明書を確認するなどの保護策を打ち出した。

漁獲規制をきちんと守り、流通管理も厳しくすれば資源量は確実に増えることが立証された。

大西洋・地中海域では現在も未成魚の禁漁措置は継続されている。一方、日本近海を含む中西部太平洋の国際機関(WCPFC)の漁獲規制は、未成魚の漁獲量を02~04年の半分に抑えるものだ。それでも、日本などの各国で漁獲枠を超す違反が相次ぎ、政府は漁獲量が枠に近づいた時点で操業停止命令を出す方針だ。

国内の漁業者からは「厳格な漁獲規制は漁業経営への影響が大きい」と不満の声が多い。WCPFCが昨年12月に開いた総会で、資源量に応じて漁獲枠を柔軟に見直す措置で合意した背景には、日本の漁業者の不満の声がある。

しかし、中長期で見れば、厳格な資源管理が漁業経営にもプラスとなることは大西洋の事例で分かるはずだ。資源の回復した大西洋クロマグロの流通量は国内市場でも増え、対照的に太平洋域ではなお漁獲規制が続く。それは漁獲、流通管理の優劣が招いた結果にすぎない。

漁業の持続可能性を高めるために何が重要かを、漁業者は改めて考えてほしい。

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