2018年6月24日(日)

交通事故死をもっと減らそう

2018/1/11 23:07
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 昨年1年間に交通事故で死亡した人は3694人で、警察庁が統計を取り始めた1948年以降でもっとも少なかった。「交通戦争」と呼ばれた70年の1万6765人と比べると、5分の1近くまで減ったことになる。

 飲酒運転といった悪質な行為の厳罰化、信号機など交通安全施設の整備、自動車の安全性能の向上。さまざまな取り組みが功を奏した結果であろう。警察や自治体など関係者の労を多としたい。

 だが交通事故死はもっと減らせるはずだ。大きな課題は高齢者対策である。昨年1~11月の統計では、65歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は、全死亡事故の3割近くを占めた。判断力や身体能力の衰えが事故につながっている例も多いとみられる。

 このため近年、免許更新時の認知機能検査が強化され、免許証の返納を呼び掛ける取り組みがなされてきた。これらの効果を検証し、高齢者の特性に応じた対策をさらに強めていきたい。信号や標識を見やすくするなど道路のバリアフリー化も欠かせない。

 「交通弱者」という面からの高齢者対策も重要だ。事故死者数全体に占める65歳以上の割合は70年には2割に満たなかったが、2012年以降は5割を超えている。

 そもそも日本は欧米の主要国に比べ、生活道路で「歩行中」や「自転車乗用中」に車にひかれて死亡する割合が目立って高い。事故に遭うのは高齢者に限らない。年齢別に見ると、歩行中の死傷者は7歳が突出して多いのだ。

 警察や自治体は住宅地での車の速度を時速30キロ以下にする取り組みを進めているが、実効性を持たせることが難しい。運転者、歩行者双方への安全教育や住宅地での取り締まりを強化するとともに、道路面を一部盛り上げるハンプの設置などをさらに促すべきだ。

 車の安全性を一段と高めなければならない。国は自動ブレーキやアクセルの踏み間違い防止機能を備えた車の普及を目指している。これを加速させる必要がある。

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