2018年4月27日(金)

安住せずに外へ動け
SmartTimes (柴田励司氏)

コラム(ビジネス)
2018/1/12付
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 「ノートはパソコンでとりなさい」「常にインターネットにつながっているように」

1985年上智大文卒。マーサ-ジャパン社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの最高執行責任者(COO)などを経て、2010年インディゴブルー社長、15年から会長。

1985年上智大文卒。マーサ-ジャパン社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの最高執行責任者(COO)などを経て、2010年インディゴブルー社長、15年から会長。

 私が経営者として関わってきた会社や塾長を務める研修でこう話してきた。紙のノートは自分だけのものになってしまう。加工や編集も手間だ。ワードやエクセルなどでとったメモはすぐに加工できる。他者との共有も簡単だ。さらにネットにつながっていれば、分からないことや関心があることをその場で調べることができる。後で調べようと思っても忙しさに紛れて忘れてしまうのが関の山だ。

 このことは10年以上前から言ってきた。言い始めたころは会議中にパソコンをいじっていると「何を遊んでいる!」と怒るシニアの方がいた。5年ほど前から取り立てて文句を言われなくなった。今ではよく目にする風景になった。5年後には紙のノートしかもっていないと「なぜネットにつながっていないのか」と怒られるようになるだろう。

 「我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な人類たち」(川端裕人著)を興味深く読んだ。5万年ほど前には我々ホモ・サピエンス以外に多様な人類がいたらしいが、現在では我々だけになった。

 なぜそうなったのか。真の理由はまだ分かっていないが、本著の中ではホモ・サピエンスが他の人類と異なり、地球上のあちこちに進出したことが謎を解く鍵だと示唆している。安住せずに外へ動く。これが進化を導く。視野が広がり、新しい生態系に適合するための工夫と努力につながるからだ。それをしなかった人類は滅びた。

 「スキル」「経験」「人脈」。この掛け合わせが仕事の質と量を決める。これらはいずれも過去の努力、過去のいい仕事、過去の関係性のたまもの、つまりは仕事資産だ。この仕事資産の大きさが自分の仕事の大きさを決める。大きな仕事をしたいと思っている人は仕事資産の形成を意識した方がいい。

 ただし、仕事資産はすぐに目減りする。自ら「やったことがないこと」にチャレンジし、かつ「知らない人たちと」力を合わせることを当たり前にやっていかないと未来の資産が積みあがらない。恐ろしいのは自分の仕事資産の目減りに気づかないことだ。大企業では特に個々の仕事資産がゆっくり目減りする。

 副業解禁の動きを報酬補てんの点から報じる動きがあるが、これは大間違いだ。大企業であればあるほど、自社内で完結する仕事が大半だ。内向きの世界では「未経験」で「誰も知らない」世界でも仕事ができる人が育ちにくい。だから副業解禁なのだ。これは大企業の中のできる人をさらにできる人にするための人材育成のための施策だ。

 未来の働き方をイメージして、未来の自分に今の自分を近づける。安住せずに外へ動け。2018年初頭のメッセージだ。

[日経産業新聞2018年1月12日付]

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