2018年10月23日(火)

原油価格の急変に警戒を

2018/1/9 23:14
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ニューヨーク市場の原油先物は一時、1バレル62ドル台に上昇し、2年8カ月ぶりの高値をつけた。世界経済の回復を受け、需要が拡大するとの観測が背景にある。ただ、中東情勢の緊張を材料に、投機的な買いが膨らんでいることにも注意が必要だ。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国のリビアでは昨年末、原油パイプラインが爆発した。本拠地を失った過激派組織「イスラム国」(IS)の残党が関与した可能性もあるという。イランをめぐる情勢も、反政府デモは収拾に向かっているが依然として不透明だ。

今のところ中東の有力産油国に深刻な供給障害は起きていない。だが、日本の原油輸入の8割は中東地域に依存している。情勢の不安定化は看過できない。

ニューヨーク先物市場では、中東情勢などを材料に投機的な買いが拡大している。米商品先物取引委員会(CFTC)が公表する売買動向によれば、ヘッジファンドなどによる米原油先物の買越量は、1983年に上場されて以来の最大規模にある。

原油が史上最高値を記録した2008年に最も多かったときに比べ、5倍強の買越量だ。

原油など商品相場の上昇や、投資家がリスク資産を買い増す傾向は世界景気の好転を映したものといえる。昨年来の原油価格の上昇で米国の原油生産量はすでに1年前よりも日量で100万バレル増え、14年以前のような100ドル超の高騰を予想する見方は少ない。

それでも短期的な先物投機の過熱や、その反動による相場急変には警戒が怠れない。

すでにガソリンの全国平均小売価格は2年半ぶりの高値に上昇している。人手不足が深刻になる運輸業などで、コスト負担が増す可能性は高い。日本の液化天然ガス(LNG)の輸入価格は原油に連動するため、電気代などがさらに上がることも予想される。

原油高の影響が企業収益を圧迫したり、消費者心理を冷やしたりするリスクにも注意すべきだ。

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