春秋

2018/1/7 1:02
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もともとは「お化け」とか「妖怪」といった意味だという。英語の「スペクター」という単語だ。カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが170年前に書いた「共産党宣言」の冒頭に出てくる「妖怪」が、スペクターと英訳されているのを目にしたことがある。

▼スパイ小説やアクション映画のファンにとっては、固有名詞に近い響きを帯びているかもしれない。いうまでもなく、007ことジェームズ・ボンドの最大の敵である、悪の組織の名前だ。ごく個人的な思い入れでいえば、55年前のボンド映画「ロシアより愛をこめて」でロバート・ショウが演じた刺客のイメージが強い。

▼平成30年が明けて早々にお目見えした「スペクター」は本来の意味にふさわしいのではないか。インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などのCPU(中央演算処理装置)で見つかったという「セキュリティー上の脆弱性」。極東がおとそ気分にあるうちから、米国の市場などで大変な騒ぎになっている。

▼「メルトダウン」というまがまがしい名前の欠陥も明らかになっていて、世界中のコンピューターの安全が心配になる。コンピューターに支えられた社会の仕組みそのものも。問題を発見したグーグルをはじめ米欧のハイテク企業が協力して対策に動いているのは心強いが、それほどに事態は深刻と考えるべきなのだろう。

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