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示唆多い中国の排出量取引

中国が全国で二酸化炭素(CO2)の排出量取引制度を始めると発表した。当面は電力業界に限るが、それでも約1700社が対象となる。取引量は約30億トンと世界の排出量の1割近くに達する見通しで、影響は無視できない。

この制度はCO2に価格付けをし、排出量が割り当て分を上回れば市場から買い取り、余裕があれば売る仕組み。2013年以降、湖北省、北京市、上海市などで試験的に実施し、一定の削減効果があったという。

全国展開へ、今後1年かけて排出量の測定・報告と検証の詳細ルールや割り当ての方法を詰める。2~3年内に本格的な取引を開始し、対象業種を順次セメント、アルミ、化学などにも広げる。

当初は17年中に8業種を対象に全国で取引の開始をめざしていたが、やや遅れる。排出量データの不確かさも指摘され、実効性を疑問視する声もある。

しかし、中国は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の下で提出した排出削減目標の達成に、並々ならぬ意欲をみせている。排出量取引制度により、削減が着実に進むとの期待は大きい。

注目されるのは、自国の制度を先行する欧州連合(EU)などの制度と連携させる構想を温めている点だ。今回、中国から欧州大陸にかけて巨大な取引市場を築く一歩を踏み出したともいえる。

日本でも、環境省の有識者会議が排出量取引制度を温暖化対策の選択肢のひとつに挙げた。日本の産業界には、国際的な排出量取引制度に参加しないことが事業上のリスク要因と見なされ投資を受けにくくなる、との懸念もある。

一方、経済産業省や経団連は、産業競争力を弱めるおそれがあるとして制度の導入に否定的だ。

全国一律の制度にこだわる必要はない。東京都のような自治体の取り組みを促したり、特定の業界で先行導入したりする方法や、炭素税と組み合わせる案もある。世界の動向を見つつ、こうした選択肢を真剣に検討するときだ。

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