挑戦通じ、友つくる年に
SmartTimes (加藤史子氏)

2018/1/8 6:30
保存
共有
印刷
その他

新しい年が始まった。何かを始めたくなる時期だ。今年こそ禁煙、ダイエット、運動不足解消など、ミドル世代以上ならば健康に関して決意を新たにした人も多いかもしれない。幸せな人生を願うならば、禁煙や運動と同じく、実は「新しい友達づくり」の重要性が増している。

慶応大卒、1998年リクルート入社。ネットの新規事業開発を担当した後「じゃらんリサーチセンター」に異動し、観光による地域活性化事業を展開。2016年WAmazing創業。

慶応大卒、1998年リクルート入社。ネットの新規事業開発を担当した後「じゃらんリサーチセンター」に異動し、観光による地域活性化事業を展開。2016年WAmazing創業。

学生時代は毎日のように共に食事をしたり、夜を徹して語り合ったり、サークル活動に励んだり。そもそも価値観も柔軟なこともあり自然と親しい友人ができていく。しかし、30代、40代、50代となれば、仕事においても中核的な責任ある役割を担いつつ家庭に使う時間もあり、自然と新しい友人はできにくくなる。

米国では、健康・公衆衛生の課題として飲酒、喫煙、運動不足などと並び、「孤独」や「社会的孤立」が重要視されてきている。孤独が高齢者の健康を脅かす主要なリスクであることを明らかにする研究が多く報告されているからだ。

米国ユタ州のブリガム・ヤング大学のジュリアン・ホルト・ランスタッド教授らは、「死」や「生存」といった言葉と「社会的孤立」「孤独」「独り暮らし」といった言葉の両方を含む研究を検索し、その関係を明らかにしている。分析の結果、「社会的孤立」によって29%、「孤独感」により26%、「独り暮らし」では32%、それぞれ死亡リスクが高まることが示された。

米国に特殊な課題かといえば、むしろ日本でこそ深刻らしい。経済協力開発機構(OECD)の2005年の調査によれば、「ほとんど、もしくはまったく友人や同僚、他の人々と時間を過ごさない人」の割合は日本の男性では約17%(女性は14%)となり、調査21カ国の中では日本がダントツであった。

「最大の病はハンセン病やがん、結核などではありません。それは誰にも必要とされず、誰にも気にとめてもらえず、すべての人から見捨てられているという孤独です」とはマザー・テレサの言葉である。

ではどうしたらいいのか。一般的に言われるのは、地域活動への参加や、新たな趣味を通じて仲間を見つけるなど、仕事以外の結びつきをつくることの重要性だ。しかし、労働時間の長い現役世代はなかなか、そうした機会をつくることも難しい。そこで私からのお勧めは仕事において、新しい挑戦をすることだ。

個人的経験だが、新規事業や新たなビジネスパートナーとの提携など新しい試みを共にした仲間とは社内外を問わず仕事を超えた友人関係になることが多い。普段求められる役割行動を外れているとか、直接的に評価に影響する仕事でなければ、なおさらよい。上司を含む他者からの期待や評価ではなく、興味・関心や情熱、使命感で動く仕事を成し遂げる1年を送れば、今年が終わるころ、新たな友達と呼べる人ができているかもしれない。

[日経産業新聞2018年1月5日付]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]