2018年10月21日(日)

春秋

2018/1/4 0:43
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「ロボット」は「賦役」を表すチェコ語から生まれた造語だ。100年ほど前、この言葉を初めて使ったチェコの作家カレル・チャペックは、人の代わりに働く人造人間を描いた。いまロボットは店頭でお客を案内し、家の掃除もする。現実に労働を代行し始めている。

▼「目に見えないロボット」も企業に広がり始めた。請求書の発行、各部署からの報告の集計やイベント参加名簿のチェックなど、定型的な仕事を自動で処理するソフトウエアを指す。これによる生産性の向上は「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」と呼ばれている。無人化される仕事は増えるだろう。

▼気になるのは雇用への影響だ。職場にロボットが普及していったとき、人は何をすればいいのか。人材サービスのパーソルグループは派遣で働く人たちにRPAを使いこなす技能を学ばせ始めている。派遣先の企業に事務合理化を提案できるようにするという。人の能力を発揮できる仕事を新たに生みだそうというわけだ。

▼チャペックの「ロボット」(千野栄一訳)という戯曲では、「何もかも生きた機械がやってくれます」と言う人造人間の生産会社社長に、年長者がくぎを刺す。「労働や疲労の中に徳のようなものがあった」。苦労して得る達成感、社会の役に立っている手応え……。働くとは何かにも、作家は考えを巡らせていたようだ。

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