2018年4月20日(金)

「再燃せざるを得ない」のは韓国への不信だ

2017/12/27 23:36
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 前政権の業績をとことん否定したいのかもしれないが、国家間の合意を覆しかねない内容で、極めて遺憾だと言わざるを得ない。

 韓国外務省の作業部会が慰安婦問題をめぐる2015年末の日韓合意の検証結果を発表した。

 朴槿恵前政権が主導した慰安婦合意について、報告書は「被害者の意見を十分に集約しないまま、主に政府の立場で合意した」と指摘。たとえ日韓の政府間で「最終的かつ不可逆的な解決」を宣言したにせよ、「問題は再燃せざるを得ない」と結論づけた。

 検証報告はさらに日本との交渉が通常の外交ルートでなく、大統領府主体の秘密協議で進められたと批判。韓国側が元慰安婦の支援団体への説得、ソウルの日本大使館前に設置された少女像の「移転に向けた努力」を秘密裏に約束していたにもかかわらず、公開しなかったことも問題視した。

 文在寅政権は「韓国国民の大多数が情緒的に受け入れられない」として、日韓合意の検証に踏み切った。ただ、自ら朴前大統領の弾劾・罷免で就任した経緯があり、前政権を攻撃する題材として使う思惑もあったようだ。検証報告がとくに朴前大統領への批判に重きを置いたのはその証左だろう。

 康京和外相は日韓関係に及ぼす影響も考慮し、韓国政府の対応は「慎重に決める」という。とはいえ、合意に疑問符を投げかける結論を出しながら、政権として何もしないというのは考えにくい。いずれ、日本政府に追加措置を求めたり、合意の破棄や再交渉を求めたりする恐れは否定できない。

 しかし、国家間の合意や協定は着実に履行する義務がある。前政権時代の約束だからほごにするという事例がまかり通るようでは、いつまでたっても互いの信頼関係は築けない。韓国側が再交渉などを求めるようであれば、再燃するのは韓国不信であることを文政権は肝に銘じるべきだ。

 むしろ韓国政府が取り組むべきなのは、日韓合意の着実な履行に向けた元慰安婦や支援団体への説得、そしてソウルの日本大使館前や釜山の日本総領事館前からの少女像の撤去に向けた努力だろう。

 日韓は主要な貿易相手国だ。核・ミサイルの挑発を続ける北朝鮮に対処する上でも、緊密な連携が欠かせない。歴史問題をめぐる立場の差は大きいとはいえ、過去の合意を蒸し返さず、未来志向の関係づくりを優先していきたい。

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