2018年12月13日(木)

米国は国連総会の決議直視を

2017/12/23 23:36
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トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めた問題で、国連総会の緊急特別会合は米国の決定を無効とし、撤回を求める決議を賛成多数で採択した。

拘束力はない。しかし、国際社会が米国のふるまいをどう見ているのかの意思表示だ。米国は結果を直視しなければならない。

エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が集中する。その帰属はイスラエルとパレスチナの当事者による交渉で決める。これが中東和平を進めるための原則になってきた。

和平を仲介してきたはずの米国の一方的な政策変更に、パレスチナは反発している。和平原則を支持してきた国際社会がおかしいと考えるのも当然だろう。

総会の特別会合に先立って開かれた安全保障理事会にも、総会決議とほぼ同じ内容の決議案が提出された。米国を除く、14カ国が賛成したが、米国が拒否権を行使して廃案になった。

トランプ大統領は総会前、決議案への賛成国に対する援助の停止をほのめかした。脅しとも言うべき言動にあきれる。援助を条件に服従を迫る態度は反感を助長し、米国の孤立を深めるだけだ。

河野太郎外相が今日からイスラエルやパレスチナ、トルコなどを訪問する。エルサレムをめぐる問題が亀裂を広げるさなかに当事者に会うことは意味がある。

日本は安保理、総会の特別会合とも決議案に賛成した。イスラエルと将来のパレスチナ国家が共存し、これを当事者の話し合いによって実現する。日本が支持する立場をイスラエルとパレスチナ双方にはっきり伝える必要がある。

そのうえで、和平の枠組みを壊さず、両者に交渉のテーブルにつくよう働きかけていかねばならない。それにはトルコなど近隣国との連携が重要だ。

中東和平の前進には米国の役割が不可欠だ。日米関係が外交の基軸であるからこそ米国に直言し、中東和平を軌道に戻す努力も怠るわけにいかない。

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