2018年7月17日(火)

韓国は慰安婦合意の順守を

2017/12/21 0:36
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 歴史問題をめぐる立場の違いはあるにせよ、国家間の合意が蒸し返されるようでは決して信頼関係は築けない。

 韓国の康京和外相が就任後初めて来日し、河野太郎外相と会談した。文在寅政権は慰安婦問題をめぐる2015年末の日韓合意の検証を進めており、作業チームが27日に報告書を公表するという。それを前に日本側の反応を探るのが主たる目的だったようだ。

 文政権は「韓国国民の大多数が情緒的に受け入れられない」として日韓合意の検証を打ち出した。作業チームは朴槿恵前政権による密室協議の有無、元慰安婦らの意見が十分に反映されたのかなどを検証しているとされ、報告書は合意の正当性を疑問視する内容になるとの観測が広がっている。

 検証結果は「政府の立場に直結しない」と康外相は指摘するが、文政権が日本に再交渉を求める言い訳に使う懸念は捨てきれない。そもそも国家間の合意を検証したこと自体、極めて遺憾である。河野外相が会談で「合意の着実な履行」を求めたのは当然だ。

 しかも日韓は合意に「最終的かつ不可逆的な解決」との文言を盛り込んだ。日本政府は韓国で設立された財団に10億円を拠出済みで、すでに財団を通じて元慰安婦の多くが現金を受け取っている。

 文政権は日本の植民地統治下で労働に従事した韓国人の徴用工問題も蒸し返す意向を示唆するが、これも言語道断だ。日韓が積み重ねた合意をほごにするようなことは決してあってはならない。

 康外相は安倍晋三首相とも会談し、来年2月に開幕する平昌冬季五輪への出席を招請した。

 日韓の関係改善に加え、北朝鮮の核問題で連携を深めるには首脳間の頻繁な対話が欠かせない。ただ、政府が優先する日本での日中韓首脳会談の開催日程は固まっていない。日韓に限れば慰安婦合意の検証結果を受け、文政権がどう対応するかも見極める必要があろう。平昌五輪への首相出席の是非は慎重に判断すべきだ。

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