2018年12月16日(日)

北海道沖大地震にどう備える

2017/12/20 0:06
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北海道東部沖の太平洋でマグニチュード(M)9級の超巨大地震が切迫している可能性が高いとの予測を、国の地震調査委員会がまとめた。今後30年以内に起きる確率を7~40%と試算した。

この海域では歴史的に十勝沖や根室沖、択捉島沖でM7~8級の地震が繰り返し起きてきた。それらが連動して同時発生するとM9級になる恐れがあるという。内閣府などは被害想定や対策づくりを急いでほしい。

揺れや津波の詳しい予測はこれからだが、津波は最大で20メートルを超える可能性がある。防波堤のかさ上げなどで被害を減らすには限界がある。津波避難所やタワーで人命を守る対策を優先すべきだ。揺れに対しても古い建物の耐震補強を急ぎ今から備えを強めたい。

調査委が今回の予測を出したのは、2011年の東日本大震災の苦い教訓からだ。この震災は三陸沖や宮城県沖などの複数の震源域が同時にずれ、M9になった。

その直後から「北海道沖でも同様の連動地震が起こりうる」との警告が研究者から出ていた。それを受け13年前の予測を大幅に見直したのが、今回の予測だ。

ただ「切迫性が高い」と断じたことには疑問がある。地震が起きる時期の予測は不確実性が大きく、研究者の見解も割れている。

陸に残る津波の痕跡などから、巨大地震は340~380年に一度起きている、と調査委は推定した。直近の地震は17世紀だったので、約400年たったいまはリスクが高まっているのは確かだ。

だが発生にはバラツキがあり、約800年にわたり間隔が空いた例もある。巨大地震があと数百年起きなくても不思議ではない。

南海トラフ巨大地震について政府は、予知や予測に頼らず被害を減らす対策に軸足を移した。北海道沖の地震でも国民に備えを促すのは大事だが「切迫性」を根拠にするのは逆戻りにならないか。

予測に慌てるのではなく、大地震がいつ起きてもおかしくないと考えて備える姿勢が肝要だ。

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