2018年11月15日(木)

楽天の新規参入機に携帯市場の活性化を

2017/12/16 20:38
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楽天が携帯電話事業への新規参入を表明した。総務省がサービス開始に必要な周波数の割り当てを認めれば、イー・アクセス(現ソフトバンクグループ)以来、13年ぶりの新規参入が実現する。

無線通信はいわゆる第4次産業革命を支える重要インフラだが、足元ではNTTドコモなど大手3社の寡占状態が続き、必ずしも競争が活発とはいえない。新規参入組の楽天が新風を吹き込み、料金の低廉化やサービスの拡充に弾みがつくことを期待したい。

楽天が成功するためにはいくつかハードルがある。最も基本的な要素は、通信の安定性や速度、カバーエリアなどの点で、先行する大手3社に見劣りしない体制を整えられるかどうかだ。

1990年代に携帯電話の「対抗馬」として注目されたPHS(簡易型携帯電話)がカバーエリアの狭さを克服できず、離陸できないままに終わった歴史もある。

2つ目は後発の不利をはね返すだけの、独自の料金体系やサービスを打ち出せるかどうか。大手3社の中では後発のソフトバンクは音声通話の定額制や米アップルのスマートフォンをいち早く導入し、ドコモとKDDIの先行2社に対抗できる事業基盤を築いた。

楽天も本業の電子商取引と通信サービスの組み合わせなど、他の事業者にはマネのしにくい独自の魅力を磨いて、3社から加入者の乗り換えを促す必要がある。

こうした一連の課題を克服するには卓越した経営能力が必要だ。そもそも楽天の財務基盤は3社に比べると脆弱で、資本集約的な通信市場で正面からぶつかっても勝ち目は薄いという見方もある。楽天創業者の三木谷浩史会長兼社長の真価が問われる挑戦である。

通信行政を所管する総務省にも注文がある。同省は自分では基地局などを持たない「MVNO」の育成など、競争活性化の旗を振ってきたが、大手3社の壁は厚く、通信市場改革は道半ばだ。

楽天が第4勢力として定着すれば、競争環境が充実し、利用者のメリットは大きいはずだ。

そのために、例えば大手3社に基地局の鉄塔などの設備開放を求め、楽天にも共用させるといった新規参入者を支援するような時限措置を検討してもいいのではないか。この機を逃せば、寡占を打破するチャンスはそうそう巡ってこない。楽天が頑張るのは当然だが、当局も知恵を絞るときだ。

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