2018年12月16日(日)

人手不足への対応は急務だ

2017/12/15 23:17
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日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業、中堅、中小企業をあわせた全規模全産業の業況判断指数(DI)が26年ぶりの高水準になった。景気回復は6年目に入り、中小企業にも裾野が広がってきたが、先行きに懸念材料もある。深刻な人手不足だ。

従業員などの過剰感を示す雇用人員DIは全産業で25年ぶりの人員不足を示す水準になった。人員不足は特に中小企業で深刻で、中小企業全産業の指数はバブル崩壊直後の1991年11月以来26年ぶりの不足水準となった。

運輸、建設、小売り、宿泊、飲食業など非製造業の人手不足が特に深刻になっている。

人手不足は一部産業の景況感にも影を落としている。不足が深刻な「宿泊・飲食サービス」「対個人サービス」などで業況判断DIが前回調査よりも低下した。

人手不足は、東京五輪に向けた建設需要の拡大など一時的要因もあるが、少子・高齢化に伴う労働力人口の減少が主因だ。景気回復をさらに力強いものにするには、政府・企業の対応が急務である。

まず女性や高齢者などの労働参加率を高め、働く人を増やすことが重要だ。外国人労働力の一段の活用も考えるべきだ。

人手不足の企業が、人材確保のために賃金を引き上げ、それに応じて販売・サービス価格を上げることができれば、デフレ脱却にも貢献するだろう。

同時に、IT(情報技術)などを活用した一段の省力化・効率化も進める必要がある。少ない人数で効率的に仕事ができるようになれば、労働生産性の引き上げにつながる。

人材が余剰気味の産業から、不足する産業に円滑に人材が移れるようにする柔軟な労働市場をつくる改革も必要だ。外国人労働者の活用についても、政府は真正面から制度の見直しに取り組むときだ。労働力不足という危機を、日本経済の構造改革につなげる好機としたい。

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