2018年11月15日(木)

日中韓首脳会談の早期開催につなげよ

2017/12/15 23:17
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国賓訪問なのに、共同声明も共同記者会見も見送られた。それでも韓国にとって優先せざるを得ぬ外交だったのだろう。韓国の文在寅大統領が就任後初めて訪中し、習近平国家主席と会談した。

焦点となったのは、在韓米軍への地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備問題だ。米韓は北朝鮮のミサイル迎撃が目的とするが、中国は自国の安全保障を損ねると猛反発。中韓関係は大きく悪化していた。

中国は団体客の韓国観光を事実上禁じたほか、韓国企業を標的にした「経済報復」も展開。全輸出額の約25%を中国向けで占める韓国経済に大きな打撃となっていた。韓国政府はTHAADの追加配備はしないといった原則を中国に約束し、ようやく文大統領の訪中実現につなげた経緯がある。

それだけに会談では、韓国側の過剰ともいえる対中配慮姿勢も目立った。13日に南京で行われた「南京大虐殺80年」追悼式典には駐中国大使を送り、文大統領は首脳会談で哀悼の意を示した。

北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐっても「朝鮮半島で戦争を認めない」「対話で解決する」といった原則で合意し、軍事行動も辞さないとする米トランプ政権の対応を暗にけん制した。

ただ、THAADを巡る中韓の溝はなお埋まらず、中国側の大統領への接遇のレベルも低かった。「関係改善の重要な機会」(習主席)と位置づけた今回の首脳会談を機に中韓が関係修復に向かうかどうかはなお予断を許さないが、中国は「経済報復」を使った対韓圧力を即刻やめるべきだ。

結果はともあれ、韓国政府は日本が主催する日中韓首脳会談前の訪中にこだわっていた。これで3カ国会談への障害が取り除かれたことになる。中国も南京での式典で習主席が演説を控えた経緯もあり、李克強首相が参加する日中韓首脳会談を日本で開くことに異論はないとみられる。

日本にとっても中国、韓国との関係改善は喫緊の課題だ。日本政府は日中韓首脳会談の来年早々の開催を呼びかけていきたい。

来年は日中平和友好条約締結から40年の節目の年だ。韓国大統領の訪日も長らく途絶えている。まずは日中韓首脳会談を早期に実現し、中韓との関係改善への布石としたい。日中韓の緊密な意思疎通は北朝鮮の核・ミサイル問題に対処する上でも欠かせない。

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