2018年7月17日(火)

米の利上げはどこまで進むか

2017/12/14 23:47
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 米国が今年3度目となる政策金利の引き上げに動いた。来年2月に退任するイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の下では最後の利上げになりそうだ。

 議長は4年の任期中に、超金融緩和から利上げ開始への難しい局面転換を円滑に進めてきたといえるが、最終的な評価は今後の米国経済や金融市場の動向を見ないとわからない面もある。後任となるパウエルFRB理事には様々な宿題が残されることになる。

 イエレン体制下のFRBは2014年10月に量的緩和を終了し、そこから1年あまりたった15年12月にゼロ金利政策の解除に踏み切った。その後2年かけて政策金利を今回決めた1.25~1.50%まで引き上げたことになる。基本的には極めて慎重な姿勢で利上げを進めてきたといえる。

 その結果、金融市場に大きな混乱は起こらず、失業率が4%近くまで下がるなど経済の順調な回復につながった。その一方で、商業用不動産価格や株価の大幅な値上がりなど、バブル的な状況を招きつつあるとの見方もある。

 長期金利は利上げ開始以降、ほとんど上がっておらず、緩和的な金融環境が続いているのは確かだ。グリーンスパン元FRB議長が05年に、利上げをしても長期金利がなかなか上がらないのをさして「謎」と呼んだのと似た状況が再来しているようにもみえる。

 後を継ぐパウエル氏は資産価格の動向に目を配りつつ、戦後最長に近づく景気拡大局面の持続を支えるという重い使命を背負う。過去と比べて上がりにくくなっている物価の動向や、税制改革がもたらす経済への影響をどう見るかも政策判断にとって重要になる。

 米国の利上げがどこまで、どんな形で進むかは、好調な世界経済の行方にも大きな影響を与える。来年は欧州中央銀行(ECB)も量的緩和の縮小を始める予定で、金融面からの追い風は徐々に消える。世界経済が中央銀行の支えなしでも拡大できる基礎体力を備えているかが試されることになる。

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