2018年4月20日(金)

利用者向いた卸売市場改革を

2017/12/12 23:37
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 政府は、民間企業が中央卸売市場を開設できるようにするなど卸売市場の改革策を決めた。合理的な理由のない規制はすべてなくすという規制改革推進会議の提言に比べ、後退した部分も多い。卸売市場は危機感を持ち、利用者を向いた改革を進めてほしい。

 産地が出荷する農水産物の受託を卸会社が拒否できない「受託拒否の禁止の原則」は、自民党内の議論で反対意見が多く、廃止が見送られた。

 この原則は「卸売市場は必ず引き取ってくれる」という生産者の甘えにつながりやすい。農家は市場で評価される農産物作りに工夫をこらす必要がある。

 これまで中央卸売市場は一定規模の自治体しか開設できなかった。今回の改革で、民間企業が開設した場合でも政府が公共性などの観点から認定すれば「中央卸売市場」の看板を掲げられるようになることは前進だ。

 取引する商品は市場内に運び込まなければならない「商物一致の原則」なども、法律に基づく規制がなくなる。インターネット通販に対応したり、物流を合理化したりする上で評価できる。

 ただ、規制のなくなるルールも各市場の判断で維持することも可能だ。改革はそれぞれの卸売市場に委ねられる。

 生産者や小売りが卸売市場を使わず、直接取引するようになったのは、卸売市場全体の運営に経営感覚が欠け、卸や仲卸が取引規制に縛られ利用者の意向に応えられなかったからだ。

 公的な施設であることを理由に横並び意識が強く、流通コストの安さや調達、販売力で競う意識も浸透していない。

 卸売市場改革をめぐる議論で、改革反対派からは規制をなくし、公的な側面を後退させれば市場運営をやめる自治体が出てきてしまうという声も聞かれた。だが、現実の卸売市場は整理統合が遅れ、赤字経営の仲卸も多い。規制緩和を機に、卸売市場全体の合理化を進めるべきだ。

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