2018年9月24日(月)

介護報酬増額で25年問題を乗り切れるか

2017/12/12 23:37
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 2018年度からの介護報酬の改定が、大詰めを迎えている。政府は微増の方向で調整しているようだが甘いと言わざるを得ない。

 25年には団塊世代が全員75歳以上になる。このまま給付が膨らめば、制度を安定的に持続させることはむずかしくなる。真に必要な人に質の高いサービスを届けるためには、もっとメリハリをつけるとともに、25年を見据えた抜本的な見直しが不可欠だ。

 介護報酬は、介護サービスの公定価格にあたる。事業者の経営状況などを勘案して、政府が3年ごとに見直している。医療サービスの報酬改定は2年に1度で、18年度はこの2つを同時に改定する節目の年となる。

 今回の改定では、医療と介護の連携や、自立支援や重症化防止の取り組みに、報酬を手厚くする。妥当な方向だろう。

 だが、費用を抑える策は踏み込み不足だ。収益率の高い大規模なデイサービスの報酬減額などが加わるが、訪問介護の使いすぎを防ぐ策などは十分とはいえない。

 介護の総費用は、制度を創設した00年度の3.6兆円から、10.8兆円(17年度)にまで膨らんでいる。このままでは税金の投入も、40歳以上の人が納める保険料も、増えるばかりだ。

 今回の改定とは別に、すでに新たな費用増も決まっている。人づくり革命の一環として、政府は19年10月から、勤続10年以上の介護福祉士に月平均8万円の処遇改善をする方針を打ち出した。処遇改善は必要だが、消費税の増税財源を唐突に充てるのは乱暴だ。

 介護保険のサービスは高齢者の生活を支え、若い世代の介護離職を防ぐのに欠かせない。だからこそ改革を急がなければならない。

 まずは、どこまで介護保険でカバーするか、絞り込みが必要だ。例えば、料理や掃除などを手助けする生活援助は、軽度者を給付対象から外すべきだ。行政が地域住民の活動を後押しし、規制改革を通じて事業者が多様なサービスを提供しやすくすれば、カバーできる範囲は広いはずだ。

 そのうえで、国民に新たな負担を求めることも、避けては通れないだろう。低所得者に配慮しつつ利用者の自己負担を上げる、保険料を負担する年齢を20歳以上にする、などが選択肢となる。使い道がきちんと絞り込まれていてこそ、新たな負担への納得も得やすくなる。

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