2018年1月22日(月)

もんじゅ廃炉のコスト監視を

2017/12/11 23:19
保存
共有
印刷
その他

 廃炉が決まっている高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、運転主体の日本原子力研究開発機構が計画をまとめ、原子力規制委員会に申請した。

 2018年度に核燃料の取り出しを始め、47年度まで30年かけて撤去する。費用は3750億円の見込みで、通常の原子力発電所の廃炉に比べ5倍以上だ。

 もんじゅは普通の原発とは仕組みが違い、炉心の熱を取り出すのにナトリウムを使う。ナトリウムは水と混じると爆発する恐れがある。機構によれば、安全な抜き取りには新たな技術開発が必要になり、コストが膨らむという。

 安全確保を最優先すべきことは言うまでもない。とはいえ安全のためならコストを青天井にかけてよいというものではない。

 もんじゅは建設などに約1兆円を投じながら、運転できた実績はゼロに近い。機構の安全管理がずさんで、検査漏れを繰り返したことが廃炉の一因になった。

 廃炉の計画づくりや工程管理を機構だけに任せず、第三者が厳しくチェックすべきだ。廃炉対策では文部科学省を中心に省庁横断のチームを設けているので、この組織に実務者を加えるなどして監視を強めるのも一案だろう。

 ナトリウムを扱う原子炉はフランスやロシアにもあり、炉から抜き取った経験がある。海外の技術で使えるものは最大限活用し、コスト抑制につなげるべきだ。

 原子炉本体の解体が始まれば通常の原発と共通点も多い。東京電力福島第1原発事故の後に廃炉が決まった原発の解体も、同じ頃に本格化する。技術をもつ企業同士を競わせて費用を抑え、もんじゅでの経験を他の原子力施設に生かす道も探ってほしい。

 ウランの有効活用をめざす核燃料サイクルでは、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)も完成が遅れ、コストが膨らんでいる。電気料金に上乗せする形で費用を負担しているのは国民だ。コストが野放図に増えるようでは国民の理解は得られない。

日経電子版が2月末まで無料!初割のお申し込みは1月31日まで!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報