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外国人の日本語学習下支えを

日本に住む外国人が社会に溶けこみ、活躍するうえで重要な鍵となるのが日本語の能力向上だ。日本語がよく理解できないため生活に苦労している人も少なくない。

外国人の数が増えるなかでこうした状況を見過ごせば、社会の不安定化にもつながりかねない。外国人の日本語学習を支える体制を整えていく必要がある。

日本に住む外国人数は2016年末で238万人に達した。日本語の指導が必要な外国籍の小中高校生などの数は同年度に3万人を超え、4年間で27%増えている。

だが、これまで外国人住民への日本語学習支援は自治体任せで、現実には地域のボランティアに頼ってきた。人手は足りておらず、ボランティアの高齢化も目立つ。学校で外国人生徒の日本語学習を支える仕組みもでき始めたが、やはり人手不足で体制は不十分だ。

外国人が多く住む都市でつくる外国人集住都市会議は先月、三重県津市で開いた会合で「日本語習得を自助努力に任せる考え方から転換し、生活や就労に必要な日本語学習機会を保障する制度の設立に踏み切るべきだ」と宣言し、国として外国人の日本語習得に責任を持つ体制の確立を求めた。

政府の対応が遅れがちな裏には総合的な外国人受け入れ政策の不在がある。語学支援は本来、総合政策の一環となるべきものだ。

例えば、日本語の能力を高めた人材には在留資格で有利な扱いをすることの制度化が考えられる。日本にずっと住むと想定される子供がきちんとした日本語を習得できるようにすれば、能力をいかして社会に貢献する人材が育つ。

ドイツは、移民が社会から疎外された反省から、長期滞在などを望む外国人に一定時間のドイツ語講習を義務付ける仕組みを持つ。 人材や予算を考えれば同じことはできない。だが、言葉の問題を軽視したまま場当たり的に外国人を受け入れれば、社会の分断を招く心配もある。中長期的な社会の活力や安定という視点から日本語学習支援を考えるべきである。

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