2017年12月17日(日)

妥当なロシアの五輪参加禁止

社説
2017/12/8付
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 不正の深刻さに見合った妥当な処分といえるだろう。国ぐるみの組織的なドーピング不正があったとして、来年2月の韓国・平昌五輪へのロシア選手団の参加が禁止されることになった。

 国際オリンピック委員会(IOC)がロシア・オリンピック委員会の資格を停止し、同国選手団の派遣を禁じる決定を下した。

 ロシアは2014年のソチ五輪で33個のメダルを獲得した。

 だが、再検査による違反者は25人にのぼり、11個のメダルが剥奪された。禁止薬物を摂取した選手の尿検体のすり替えに治安機関が加担するなど、巧妙な隠蔽工作の実態も明らかになっている。IOCが組織的なドーピング不正と認定し、厳罰を下したのは当然だ。

 昨年のリオデジャネイロ五輪でIOCはロシア選手の参加の可否を各国際競技団体の判断に委ね、「弱腰」との批判を浴びた。その反省もあったとみられる。

 IOCは一方で、潔白が証明された選手については「ロシアからの五輪選手」として個人参加を認める。ただし、ロシア国旗や国歌は認めないという。組織的な不正とはいえ、完全に潔白な選手の権利も尊重しないと公平性に欠ける。やむを得ない措置だろう。

 ロシアは国家主導のドーピングを認めていないが、IOCの決定を真摯に受け止め、まずは不正の実態を自ら解明するとともに、責任者を厳しく処分すべきだ。

 プーチン大統領は強硬派の間で浮上していた五輪のボイコットを否定し、選手の個人参加も容認する姿勢を示した。参加選手が「非国民」のレッテルを貼られないよう十分に配慮してもらいたい。

 プーチン氏は来年3月の大統領選への再出馬を表明したばかり。IOCと対決して国際的な孤立を深めれば、選挙戦にマイナスに響くとの判断も働いたようだ。

 ドーピング不正は20年の東京五輪にも暗い影を落としかねない。日本は率先してその根絶を世界に訴え、公正でクリーンな五輪の実現をめざしていく必要がある。

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