2019年8月23日(金)

ロシア疑惑の解明を妨げるな

2017/12/4 23:20
保存
共有
印刷
その他

米トランプ政権とロシアとの不明朗な関係をめぐる疑惑は、ホワイトハウスの元高官が起訴され、新たな段階に入った。トランプ大統領自身が疑惑にかかわった可能性も取り沙汰される。米政治の混迷は世界秩序にも負の影響を与える。トランプ氏は疑惑の解明に積極的に協力すべきだ。

起訴されたのはマイケル・フリン元大統領補佐官だ。昨年12月にロシアの駐米大使と接触したことなどをめぐり、米連邦捜査局(FBI)に虚偽の証言をした容疑がかけられている。

裁判に先立ち有罪を認めたことから、減刑と引き換えにトランプ氏の関与などを証言するとの観測が出ている。FBIはトランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー氏がフリン氏に指示をしていたかどうかを重視している。

トランプ氏は「(フリン氏の)政権移行期の行動は合法だった。何も隠すことはなかった」とツイッターに書き込むなど、疑惑の払拭に懸命だ。

全容解明にはなお時間がかかりそうだが、より大きな問題はロシア疑惑がトランプ政権のかじ取りを左右しかねないことだ。

外交・安保政策で内向き志向を強めるとの見方が多いが、米国民の視線を外にそらすため、逆に北朝鮮への軍事行動を急ぐと見る向きもある。

中東諸国の反対を無視して「イスラエルの首都はエルサレム」と宣言するとの報道がある。これも政策判断というよりは、物議を醸すことでロシア疑惑への関心をそらすためではないか。いずれにせよ、さまざまな重大な決断がその場しのぎのためになされるとしたら恐ろしい。

米国民は政治スキャンダルについて、事件を起こしたかどうかもさることながら、その後に隠蔽工作をしたかどうかなど潔さを重視する傾向がある。捜査妨害と判断されれば、大統領選でトランプ氏に1票を投じた保守層にも動揺が起きるかもしれない。政権の浮沈にかかわる重大局面である。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。