米アマゾン「無線鍵」の可能性 自宅が地域の倉庫にも…
奔流eビジネス (D4DR社長 藤元健太郎氏)

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2017/12/3 6:30
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米アマゾン・ドット・コムが米国でサービスをスタートした「アマゾン・キー」が面白い。スマートキーとクラウドカメラのセットを購入して自宅に取り付けると、配達員が不在時に家に来ても、荷物のバーコードをスキャンすることで自動的にスマートキーの鍵が解除されて荷物を玄関の中に入れることができるサービスだ。

アマゾンの倉庫機能の一部が、消費者の住居や空き家に移るかもしれない

アマゾンの倉庫機能の一部が、消費者の住居や空き家に移るかもしれない

現在日本でも再配達率の高さが物流問題として大きくクローズアップされており、宅配ロッカーを玄関や駅など様々なところに置く動きが活発になっている。しかし、このアマゾンのサービスはロッカーをそもそも必要ないものにできる。

またこのサービスはスマートロックが解除されるのに前後してカメラが録画を始めるため、配達員が自宅の中を覗(のぞ)いたりするとわかるようになっている。自宅に配達員が勝手に入ることを不安に思う人は当然多いが、自宅に入退出する人をすべてカメラで確認できるため、むしろセキュリティー効果を高めるとみることもできる。

このサービスの本当の価値は、再配達を減らすことではない。自宅の「鍵」をアマゾンに預けることで、様々なサービスへの拡張が計画されている点が注目だ。例えばハウスクリーニングサービスなどでは、不在時でもアマゾン経由で勝手に家の中を掃除してもらうことが可能になる。旅行中にペットの世話なども頼むことができる。今後アマゾンは様々な自宅向けサービスのプラットフォームビジネスを加えていくであろうことは容易に想像できる。

鍵を手に入れたアマゾンが今後さらにどんな世界を生み出すのか。想像を勝手に膨らませれば、自宅を倉庫代わりに開放することもできそうだ。アマゾンは1人の消費者にとどまらず、その消費者の自宅の周辺の人たち、例えば3軒隣の人が何を購入しそうかというデータも保持している。

3軒隣の人が毎月定期的に洗剤を購入しているとする。その人がダッシュボタンを押して注文した時に、すでにその洗剤は自宅で保管してある。それを近くの配達アルバイトがやってきて届けたり、注文者自身に取りに来てもらったりということも可能だろう。購入ボタンを押してから数分で商品を入手できる究極の配送サービスだ。空き家にこの鍵を取り付ければ地域の倉庫になる。

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