2017年12月17日(日)

ミサイル発射の北朝鮮に最大限の圧力を

社説
2017/11/30付
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 北朝鮮が2カ月半ぶりに弾道ミサイルの発射を強行した。しかも米国を標的とする新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)という。国際社会の自制要求を無視し、軍事的な挑発を再開した北朝鮮の暴挙は決して容認できない。

 防衛省によると、ミサイルは29日未明に平壌近郊から発射され、約53分間飛行して青森県西方の日本海に落下した。飛行距離は約1000キロメートル、最高高度は4000キロメートルを大きく超えた。射程は過去最高と推定されるという。

 北朝鮮メディアは、新たに開発したICBM「火星15」の発射実験に成功したと表明した。超大型の核弾頭を搭載して米本土全域を攻撃できるとし、7月に2度発射したICBM級の「火星14」より格段に技術的特性に優れているとした。米本土を射程に入れたICBM開発が実戦配備への最終段階にあると誇示したといえよう。

 北朝鮮による弾道ミサイル発射は9月15日以来となる。米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定した直後で、トランプ政権の敵視政策に反発した面もありそうだ。

 今回の発射により、北朝鮮が核・ミサイル開発を自制する意思が全くないことが改めて明らかになった。軍事攻撃をちらつかせる米政権の我慢の限界を探りつつ、今後も核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す恐れが大きい。国際社会は北朝鮮への封じ込めを一段と強めていく必要がある。

 安倍晋三首相とトランプ米大統領は電話協議で「北朝鮮の政策を変えさせる」ため、圧力をさらに高める必要性で合意した。日米韓が主導してこれまでの国連安全保障理事会の制裁決議や独自制裁の順守を各国に求めるとともに、石油の全面禁輸を含めた追加制裁策を検討していくべきだ。

 北朝鮮への包囲網を強化するには、経済的なつながりが大きい中国の役割がとくに重要だ。中国は先に北朝鮮に特使を派遣したが、説得工作は不調に終わった。中国も今度こそ圧力重視に軸足を移すべきだ。石油供給の削減を盛り込んだ安保理制裁決議を着実に履行するとともに、さらなる制裁強化にも踏み込んでもらいたい。

 北朝鮮の核・ミサイル開発は世界の安全を脅かし、核不拡散体制も大きく揺るがす。北朝鮮に核放棄を促し、無条件で対話の場に引き出すためにも、まずは国際社会が結束して最大限の圧力をかけていくことが肝要だ。

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