2017年12月17日(日)

地方消費税改革に注文する

社説
2017/11/29付
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 自治体の基幹税である地方消費税の配分基準の見直しが2018年度の税制改正の焦点のひとつになっている。政府・与党は税収を都道府県に分ける際に人口の比重を高める方向で検討している。

 消費税は税率8%のうち1.7%分が地方税となっている。今年度の税収は4兆6千億円程度になる見通しだ。小売販売額やサービス業収入額、人口などを基準に都道府県間で清算した後、その半分を各県の市町村に交付している。

 地方消費税は最終消費地に税収が入ることが原則だ。一般的に考えれば、小売店や事業者の所在地を消費地とみなすことになるが、ネット販売のように注文を受けた事業者と実際に商品を消費する場所が大きく異なる場合もある。

 音楽や映像の配信サービスなども同様だ。百貨店の顧客をみてもその県内の消費者だけではない。

 こうした消費動向や経済活動を踏まえて、政府・与党は小売販売額が中心になっている配分基準を変更し、居住地を表す人口の割合を高める方針だ。

 本来、ネット販売なども実際の消費地を把握できることが望ましい。しかし、事業者の事務負担なども考慮すると、とりあえず人口で代替することは理解できる。大型店は主に大都市に立地している。人口の比重を高めれば東京などの税収は減ることになる。

 ただし、人口の割合をどの程度まで高めるかについては合理的な説明が欠かせない。今後、地域ごとの消費動向がわかるように統計を整えることも必要だ。

 気になるのは、都市と地方の税収格差を是正する目的で配分基準の変更を求める声がある点だ。あくまで消費の実態に合わせた基準にするのが筋だろう。

 そもそも、税収格差は東京などに企業が集中している結果なだけに地方の自治体も消費やサービス関連企業の誘致にもっと取り組んでほしい。小手先の改革にとどまらず、地方財政全体からみて格差をどうするのか、自治体のあり方も含めて検討すべきだ。

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