2018年9月23日(日)

利便性を競う卸売市場へ規制改革急げ

2017/11/27 23:46
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 政府の規制改革推進会議と未来投資会議は、民間企業が中央卸売市場を開設できるようにするなど卸売市場改革の提言をまとめた。卸売市場の取引低迷は古い制度や発想に縛られ、食品流通の変化に対応できないからだ。政府は規制緩和を徹底してもらいたい。

 現行の卸売市場法の骨格は大正時代につくられ、食料の公平な分配機能を重視している。政府や自治体による統制色も強く、基幹市場である中央卸売市場は東京都などの自治体しか開設できない。

 しかし、現代の食品流通は変化する消費者や外食産業のニーズを的確につかみ、利便性を提供できるものでなければならない。産地が直接、小売りや消費者に販売する食品流通が増えるなど「卸売市場離れ」が止まらないのは、それができていないからだ。

 公的な施設だからと、市場や市場に参加する卸会社の間には横並び意識が強い。自由化されたにもかかわらず、卸売手数料がほとんど変化していないのがその証拠だ。開設者である自治体は卸売市場を施設としてしか考えず、箱物行政に陥りやすい。

 中央卸売市場にも民間の知恵をいかせるよう規制を緩和し、流通サービスの安さや質で競う環境に変えるべきだ。

 今回の提言が指摘するように、手数料、奨励金など取引条件にかかわる情報は生産者や買い手に詳細を公表してもらいたい。

 現行の卸売市場法が定める取引商品は原則、市場内に運び込まなければならない「商物一致の原則」は、拡大するインターネット通販への対応を遅らせる。

 卸会社は仲卸会社以外に商品を販売できず、仲卸会社は卸会社を通さずに商品を仕入れることができない取引規制も、市場の利便性向上の障害になる。

 政府・与党が昨年11月に決めた農業競争力強化プログラムの方針通り、合理的な理由のない規制はすべて撤廃すべきだ。

 卸売市場法には産地が出荷した商品を卸会社が拒否してはならない「受託拒否の禁止の原則」もある。これも食料不足時代の発想を引きずるものだ。

 消費者や企業に買いたいと思ってもらえる商品を卸会社が選択できる仕組みに改めてほしい。卸売市場改革は流通コストの削減を通じて農漁業者の所得を増やすと同時に、売れる商品とは何かに工夫をこらす意識改革にもつながる。

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