2017年12月17日(日)

賃金改革と残業削減を着実に

社説
2017/11/27付
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 仕事が同じなら賃金も同じにする「同一労働同一賃金」や、残業時間への上限規制の導入などをめざす政府の働き方改革は、関連法案の審議が来年に先送りされる。

 だが一連の制度変更が実現すれば、企業の経営への影響は大きい。経営者は法案の成立を待たず、賃金制度や業務の進め方の見直しに積極的に取り組むべきだ。

 同一労働同一賃金は正社員と非正規社員で不合理な待遇の差を設けることを禁じる。パートや契約社員の場合、基本給は経験や能力が同じなら正社員と同額の支給が求められることになる。賞与も貢献度に応じた支給が必要になる。

 「正社員の賞与は月給の3カ月分、パートは3万円」といった格差は認められにくいというのが労働法の専門家の見方だ。企業は求めがあれば、待遇の差の理由について説明が義務づけられる。

 企業は非正規社員の納得を得られるよう、賃金制度の整備を急がなければならない。正規、非正規を問わず職務や責任の範囲を明確にし、仕事の成果をきちんと評価する仕組みづくりが基本になる。正社員の活性化のためにも賃金制度の透明性を高めるべきだ。

 罰則を伴う残業規制の導入をめぐっては、見落とされがちな点がある。労使協定で労働時間を延ばす場合でも、企業は年間で6カ月以上、月間の残業時間を45時間以内にしなくてはならないことだ。

 月45時間は、平日に1日あたり2時間程度の残業をすることに相当する。長時間労働が常態化している企業の場合、年間の半分以上をこの範囲内に収めるのに苦労することも予想される。

 労働時間の削減は一朝一夕にはできない。仕事のやり方の効率化や無駄な業務を省くなど、生産性を高めながら、着実に労働時間の短縮を進める必要がある。

 同一労働同一賃金の制度づくりは非正規社員のやりがいを高め、残業削減は働く人の健康維持につながる。いずれも企業の成長を支える。関連法案の成立に向け、早めに備えるに越したことはない。

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