2017年12月17日(日)

「アンドロイド」の成功に学ぶ

社説
2017/11/26付
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 米グーグルがスマートフォンの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を開発し、通信機器をつくる企業に無料で提供する計画を発表して10年を迎えた。

 アンドロイドは世界のスマートフォン市場で8割強のシェアをおさえた。この結果、スマートフォンを通じたグーグルの検索サービスの利用が伸び、売上高は10年間で6倍以上に増えている。こうしたアンドロイドの成功には、多くの企業が学ぶべき点がある。

 アンドロイドが広く受け入れられた理由のひとつは、誰でも改良できるようにしたことだ。世界中の技術者の協力を得て開発を加速したといえる。米アップルと同様に、アプリと呼ぶソフトの開発に外部の企業や個人を引き込んだのも大きい。

 日本にはこうした「仲間づくり」が苦手な企業が多い。だが技術が難しくなり、世界的な競争も激しさを増す中、企業が単独でできることは限られている。外部と協力しやすい体制を築くべきだ。

 グーグルが買収したベンチャー企業の技術をもとにアンドロイドを開発した点にも注目したい。

 ネットの利用がパソコンからスマートフォン経由に変わると、グーグルは主力のネット検索でこれまで通りの収益を上げられなくなる恐れがあった。M&A(合併・買収)で人材や技術を手に入れ、検索の利用を伸ばし広告の収益力を高めた手法は参考になる。

 日本でもヤフーが買収先の人材を活用し、スマートフォンを通じて使うサービスをつくる全社的な取り組みを加速したが、買収で入手した人材や技術を経営の中枢に据える動きはまだ少ない。買収後の組織や人材の融合を含め、M&Aの技量を磨く必要がある。

 あらゆるモノがネットにつながるIoTや人工知能(AI)の普及が近づき、製造業から金融、小売りまで、幅広い分野の企業が新たな対応を迫られている。生き残りに向けて多くの企業が外部との協力やM&Aの活用を真剣に考えるときだ。

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