2017年12月17日(日)

北のテロ国家再指定は妥当だ

社説
2017/11/22付
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 米国のトランプ大統領が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると表明した。北朝鮮は核兵器やミサイル開発に加えて国際テロ活動も支援し、国際社会を威嚇してきた。再指定は極めて妥当だ。

 北朝鮮は大韓航空機爆破事件後の1988年にテロ支援国家に指定されたが、ブッシュ(子)政権下の2008年に解除された。米側は当時、北朝鮮との核協議の進展を促すためだと説明したが、日本人拉致問題などが未解決なまま指定を解除したブッシュ政権の対応には批判的な見方が多かった。

 北朝鮮はその後、核・ミサイル開発を再び加速した。指定解除の効果は皆無だったうえ、国際テロ活動についても、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアの空港で毒殺された事件を含めて、関与がしばしば取り沙汰されている。約9年ぶりの再指定は遅すぎたともいえる。

 トランプ政権による再指定の公表は、中国が派遣した習近平国家主席の特使が訪朝から帰国したタイミングと重なった。中国はかねて、北朝鮮の核問題を対話によって解決すべきだと唱えており、特使派遣で打開の道筋が見えるかが注目されていた。

 結局、中国特使と金委員長との会談は見送られたとみられ、核問題をめぐる中朝の立場の溝は埋まらなかったようだ。米政権がテロ支援国家の再指定を発表したのは恐らく、中国による説得工作が失敗したと判断したからだろう。

 トランプ大統領は「最大限の圧力をかける取り組みを促す」という。テロ支援国家の再指定は象徴的な意味合いが大きいものの、メンツを重んじる北朝鮮にとって打撃となるはずだ。国際社会はこれを機に北朝鮮に核開発の放棄を促すべく、結束して一段と強い圧力をかけていくべきだ。

 北朝鮮が激しく反発するのは必至だろう。9月中旬以降は控えてきた核・ミサイルによる挑発を再開する恐れは否定できない。不測の事態への備えも怠れない。

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