2018年11月13日(火)

与野党は争点を明確に具体案を競い合え

2017/11/22 0:37
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特別国会の論戦が始まった。衆院選勝利で勢いづく安倍政権に、数の上では大差がついた立憲民主党や希望の党などが対峙する構図だ。しかし政策論争はすべての党が対等である。経済運営や外交・安全保障といった重要課題で争点を明確にし、具体策を競い合うような議論を期待したい。

立憲民主党の枝野幸男代表は衆院代表質問で、政府との対決姿勢を鮮明にした。集団的自衛権の限定容認を含む安保関連法について「立憲主義の観点から決して許されない」と指摘し、憲法9条の改正論にも慎重姿勢を示した。

経済政策では社会の格差是正を重視し、保育士や介護職員らの大幅な賃上げを訴えた。幼児教育の無償化に関して「親の年収や施設の種類で限定や差異をつけるべきではない」とも主張した。

希望の党の玉木雄一郎代表は「与野党を超えて建設的な議論をしよう」と呼びかけ、提案型を意識した質問ぶりだった。米軍と自衛隊の協力のあり方を巡り、日本に近い地域は緊密に、遠い地域は抑制的に対応する考え方を反映した安保関連法改正案の提出をめざす方針も明らかにした。

民進党の大塚耕平代表は参院代表質問で、経済運営や日銀の金融政策、労働法制、対北朝鮮政策などについて政府の基本的立場をまず確認し、矛盾点を追及しながら政策の違いを訴えた。

安倍晋三首相は衆参両院ともに答弁書に目を落としながら政府見解を淡々と繰り返す場面が目立った。野党が踏み込んだ提案をしても「対案をよく拝見してから考えたい」などとかわし、議論がかみ合わなかったのは残念だ。

少子高齢化で膨らむ社会保障費を抑制しながら、持続可能な社会をどう実現するかは国家的な課題である。福祉の水準と税や保険料の負担をセットにした論争を深めていく必要がある。新たな財源に関しては枝野氏が「優先順位の低い公共事業の我慢」に言及した程度で物足りなさが残った。

野党はアベノミクスの危うさを言い立て、政府は円高是正や株高、雇用回復のデータを並べて反論する――。こうした質疑はもう卒業し、将来に向けた処方箋を具体的に議論していくべきだ。

どこが野党第1党にふさわしいかという競争はすでに始まっている。政府・与党も政策本位で時には野党の考えを取り入れていく柔軟な姿勢が求められている。

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