2019年4月20日(土)

春秋

2017/11/19 1:10
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冷戦時代、共産圏の旅で味わえる新鮮な体験に、小売店や飲食店のぞんざいな客扱いがあった。つっけんどんな応対。投げてよこす商品。帰国後は街の店の丁寧な接客をすばらしく感じたものだ。今やおもてなしは日本の魅力のひとつだと、誰もが認めるまでになった。

▼そんなお客様ファーストの行き過ぎゆえか。UAゼンセンの調査では百貨店やスーパーなどの接客部門で働く人の7割が、客から暴言や暴力といった迷惑行為を受けているという。死ねと言われたり、土下座を求められたり、長い説教をされたり。半数の人が増加傾向にあると答え、精神疾患や退職の原因にもなっている。

▼同様の悩みは飲食店や鉄道会社、医療・福祉施設で働く人たちも持つ。経済のサービス化が進み、人と接する仕事が増えるのに、担い手が集まらない。背景にはこうした問題もあるようだ。一部の客に店員がかかりきりになれば、ほかの人への応対はそのぶん手薄になろう。店長や経営者には毅然とした姿勢が求められる。

▼従業員と健康という点では飲食店などの喫煙規制の行方も気になる。自民党の要望により、当初案より喫煙者に甘い法律になりそうだという。法律がどうあれ、経営者の判断で「当店禁煙」と宣言するのは自由だ。人手不足時代の経営はどうあるべきか。発想を切り替えた方がいい職場となり、業績も伸びるのではないか。

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