2017年11月20日(月)

日米韓の対北連携は大丈夫か

社説
2017/11/9付
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 米国のトランプ大統領が日本に続いて韓国を訪問し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談で核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に「最大限の圧力」をかけていくことで合意した。

 北朝鮮に核放棄を促すには、中国やロシアを含む国際社会の結束が必要だ。だが、それを促すうえでも、まずは日米韓の連携が欠かせない。ぎくしゃくした関係が伝わる米韓の間で、日米と同様、北朝鮮に強い制裁と圧力を加えることが先決との認識を再確認した点は一歩前進だろう。

 ただし、米韓の温度差は否めない。文大統領は会談後の記者会見で北朝鮮に早急に対話に応じるよう求めつつ、核問題の「平和的な解決」の必要性を強調した。

 対するトランプ大統領は「必要であれば圧倒的な軍事力を全て使う」と言明。韓国での国会演説でも「力による平和」を訴え、軍事力の行使も辞さない覚悟で北朝鮮を抑止する姿勢を示した。

 革新系の文政権はもともと北朝鮮に融和的で、これまでも南北対話の可能性などを探ってきた。北朝鮮が核やミサイルの挑発を繰り返すなか、さすがに米国と協調して圧力重視に軸足を移しつつあるものの、今秋には北朝鮮に対する人道支援の実施を決めるなど、足並みの乱れも露呈している。

 米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備をめぐっては、これに反発する中国への配慮もあって、追加配備を受け入れない構えとされる。

 韓国は対米貿易赤字の削減を求めるトランプ大統領の要請で、米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉を余儀なくされた。こうした米韓のあつれきが、北朝鮮に対する包囲網づくりに向けた国際協調に悪い影響を与えないかが心配だ。

 韓国政府は米大統領の歓迎夕食会に元慰安婦の女性を招待し、料理には日韓が領有権を主張する竹島の韓国側呼称をつけた「独島エビ」を提供した。北朝鮮をめぐる日韓や日米韓の連携に水を差しかねない対応で、極めて遺憾だ。

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