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FRB、安定感を重視 パウエル次期議長、無難な人選

2017/11/4付
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【ワシントン=鳳山太成】米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル次期議長は法律専門家としてウォール街で経験を積んだが、歴代議長に比べ著名とは言いがたい。かねて追加利上げを慎重に進めるよう主張してきた。穏健な低金利路線を維持する無難な人選で、トランプ米大統領は独自色を出すために議長交代を優先した。

「米経済は2%前後の成長や力強い雇用創出が続き、インフレ率は目標の2%に向かっていく。米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げへの忍耐が好結果をもたらしている」(6月のニューヨークでの講演で)

パウエル氏の主張はイエレン現議長の発言とうり二つ。FRB執行部の代弁者として安定した情報発信が売り物だった。米首都ワシントンで生まれ、名門ジョージタウン大などで政治学や法律を学んだ。その後はウォール街の投資銀行に身を転じ、1990年から米財務省へ。92年にはブッシュ(父)政権で財務次官(国内担当)に就いた。

97年から2005年まで米大手投資ファンドのカーライル・グループの共同経営者。今年10月にFRB副議長に就いたクオールズ氏とはウォール街時代の同僚だ。周囲は「立腹したところを見たことがない」と評す。

「金融規制には重要な役割があるが、市場への影響を常に考慮しなければいけない」(10月のニューヨークでの講演で)

トランプ米大統領はパウエル氏のウォール街での経験を買い、金融規制の見直しも期待する。パウエル氏自身も、株式や債券に幅広く資金を投じる資産家だ。米紙によると、純資産は1970万~5500万ドル(約22億~63億円)と試算され、歴代で最も保有資産が大きい議長となる。

「米経済の最も大きな課題は、経済成長率を持続可能なものにするために何をするかということだ。生産性向上などに取り組まなければいけない」(10月のジョージワシントン大での討論で)

4代にわたりエコノミスト、経済学者だったFRB議長に、法律畑のパウエル氏が就くことを不安視する声もある。米メディアによると、同僚は「FRB理事に就いた当初はマクロ経済や金融政策に十分な知識を持っていなかったが、スタッフらと議論を重ねながら猛勉強に励んだ」という。

FRBの懸念材料は物価の停滞だ。18年は3回の利上げを想定するが、物価上昇率は1.3%と目標の2%に届かない。生産性を高めて潜在成長率を持ち上げる経済政策が必要だが、トランプ大統領の保護貿易主義はむしろ生産性を落としかねない。パウエル氏はトランプ政権の経済政策の助言役も期待される。トランプ氏は2日、パウエル氏を紹介する際、「ジェイ」と愛称で呼んだ。妻と3人の子がいる。

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