2018年11月13日(火)

クロマグロ漁獲管理の徹底を

2017/10/25 23:05
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成熟していないクロマグロの漁獲が国内で急増し、国際的な取り決めである日本の漁獲枠を2年連続で超える懸念が強まっている。太平洋にすむクロマグロの資源量は歴史的にみてきわめて低い水準にとどまる。管理手法を工夫し、資源を回復させてほしい。

太平洋クロマグロは乱獲で激減し、絶滅危惧種にも指定されている。そのため中西部太平洋の資源を管理する国際委員会(WCPFC)は体重30キログラム未満の未成魚の漁獲量を2002~04年平均の半分以下に抑えるルールを決めた。

WCPFC加盟国である日本は沿岸のクロマグロ漁を承認制とし、地域や漁法ごとに漁獲上限を設けてとりすぎを防止している。

しかし、今年は未成魚の漁獲を規制する中で海流に乗って北上したクロマグロが北海道で大量に捕獲された。水産庁などによれば、沖縄周辺で生まれるクロマグロが増えてきた影響もあるという。

今年の漁期が始まった7月以降、北海道の定置網にかかった未成魚は600トンに達し、来年6月までの漁期に定められた日本全体の定置網漁の漁獲枠(580トン強)も超えた。

水産庁は各自治体に定置網での未成魚漁を自粛するよう要請したが、他の漁法と合わせた漁獲も例年の2倍近いペースだ。もともと今年の漁獲枠は前年のとり過ぎ分が引かれて少なく、このままでは上限突破が避けられない。

増えてきた稚魚を成長せさ、資源を回復軌道に乗せるために漁獲規制を徹底してもらいたい。

日本の沿岸漁業者は国際合意に基づく厳格な漁獲規制に直面した経験がほとんどない。しかし、クロマグロの最大消費国である日本の漁獲管理には海外からも厳しい目が向けられている。

政府は来年からクロマグロ漁を法律に基づく漁獲可能量(TAC)制度に改める。さらに、今回のような特定の地域のとりすぎを防ぐためにも漁業者ごとに漁獲枠を配分し、資源保護への意識を高める管理手法も検討すべきだ。

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