春秋

2017/10/25 1:13
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東京駅から新幹線のぞみ号に乗ったなら新尾道あたりを通過しているところか。5年に1度の中国共産党大会で習近平総書記が行った活動報告は、延々3時間半におよんだという。寅さんが2回は失恋するくらいの長さでもある。64歳の指導者の体力と気力に舌を巻く。

▼報告では「中華民族の偉大な復興」という言葉を何度も使ったのだという。さらには現状を「長期にわたる社会主義の初期段階」で「世界最大の発展途上国」と分析してみせたらしい。南シナ海を軍事拠点化し、一帯一路の構想で巨大な経済圏をめざす現状が初期ならば、中期や最盛期には、どんな変貌を遂げることやら。

▼ちなみに、96年前の第1回大会は、上海のフランス租界でもたれた。が、すぐに官憲に干渉され、近隣の水郷に船を浮かべて党結成を宣言した、と記録に残る。教科書でおなじみの陳独秀がトップの総書記となった。発足してから数年は、帝国主義に対抗するため国民党に合流するかどうかをめぐり激論が交わされている。

▼いまやその党の指導で「近代化強国」が目標になり、周囲を脅かす振る舞いも目立つ。中国文学が専門の高島俊男さんは清などの王朝が長続きした理由を二つあげる。一つは知識人の重用。政治をインテリに任せ民衆は稼業に精を出した。もう一つは国民に国家への信があったことだ。現代の「王朝」に欠けてはいまいか。

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