2018年9月24日(月)

国民審査で司法のチェックを

2017/10/21 0:49
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 衆院選投票日の22日には、最高裁の裁判官に対する国民審査もあわせて行われる。不適任だと思う裁判官がいれば「×」印をつけ、それが有効投票の過半数になると罷免される。

 個々の裁判官が「憲法の番人」としてふさわしいかどうかを、有権者が直接判断する重要な制度である。主体的に参加したい。

 とはいっても、多くの人にとって最高裁はなじみがなく、「何を基準に、どう判断したらいいのか分からない」というのが正直なところではないだろうか。

 最高裁の裁判官は15人いる。今回の審査では、任命された後、最初の衆院選を迎える7人の裁判官が対象となる。

 では2014年の前回衆院選からこの間、最高裁はどのような判決を出してきたのだろうか。7人全員が審理に加わった「1票の格差」をめぐる裁判では、最大で3.08倍あった16年の参院選について「合憲」と判断した。7人のうち林景一裁判官は「違憲状態」とする個別意見を述べた。

 小池裕、大谷直人両裁判官がかかわった裁判では、結婚の際に夫婦別姓を認めない民法の規定を「合憲」とした。有権者の受け止めはそれぞれであろう。

 価値観の変化や多様化にともない、こうした大切な問題に決着をつける最高裁の役割は一段と重くなっている。各裁判官がどの判決に、どのように関与したのか。新聞報道や各世帯に配られる審査公報、最高裁のホームページなどで調べれば手掛かりになる。

 いま現在も、たとえば東京電力福島第1原子力発電所の事故をめぐり、原発の稼働差し止めや損害賠償を求める裁判が各地で続いている。いずれ最高裁が最終的な判断を示す可能性が高い。普段からこうした動きに関心を持つことが、司法のチェックにつながる。

 国民審査は形骸化が指摘される。まずは最高裁が判断材料をより積極的に発信する必要がある。制度の見直しをためらわず、さらに実効性を高めていくべきだ。

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