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IT時代の小売店の魅力とは

小売業の2017年3~8月期決算は増益となった企業が多かった。ただしこれは不振店閉鎖などリストラの効果が大きく、消費が本格回復したわけではない。ネット通販企業の台頭や労働力不足などで経営環境も大きく変化しつつある。余力のあるうちに新たなビジネスモデルを生み出したい。

イオンは営業利益が11年ぶりに過去最高を更新したが、値下げによる集客に力を入れる本業の総合スーパーは赤字が続く。セブン&アイ・ホールディングスは5期連続での最高益更新だが、経費削減の効果も大きかったという。

値下げやリストラに頼る経営は長い目でみたときの成長にはつながりにくい。人件費や物流費の上昇、デジタル技術の進化などを見すえ、試行錯誤を通じ次世代の小売業の形を生み出すときだ。

芽はいくつか出ている。ローソンなどのコンビニエンスストア各社は、野菜を使った飲料などの独自商品が好調だった。高齢化や健康志向といった消費者の変化を的確にとらえた新商品は高めの価格でも売れ、利幅も大きい。

実店舗を「お荷物」ではなく強みとして生かす道も考えられる。店で実物を確かめ、ネットで購入してもらう役割分担型の売り方も広がりつつある。配達や受け取りの拠点に活用する手もあろう。

増収増益が続くドンキホーテホールディングスは、工夫した陳列で大量の商品をひと目で見比べられる店づくりが支持された。スーパー業界では接客に力を入れる店も増えている。検品などの業務をIT(情報技術)で自動化し、従業員は人にしかできない仕事に振り向けるのも有効だろう。

自前で魅力的な売り場がつくれなければ、駅ビルにならい、有力なテナントに貸すのも手だ。稼ぎ頭の衣料品が不振な百貨店や総合スーパーは、好立地を生かし、こうした不動産ビジネスで再生する道が有力な選択肢になる。

にぎわう店は地域にも活気をもたらす。消費者と技術の変化を踏まえ、創意工夫を重ねたい。

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