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中国景気、緩やかに減速 習氏、成長より調和重視

2017/10/20付
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 【北京=原田逸策】中国の2017年7~9月期の実質成長率は前年同期比6.8%と、4~6月期から0.1ポイントの小幅な減速となった。金利上昇や当局によるバブル退治で民間投資や不動産販売が鈍った。環境規制の強化も生産に影を落とし、財政で景気全体を支える構図だ。習近平国家主席は、環境などと調和した経済成長の「質」を重視する方針。景気の減速が緩やかな限り、環境改善を優先する構えだ。

 成長率の減速は16年1~3月期以来、6四半期ぶりだ。要因の一つは、金利の上昇。中国人民銀行(中央銀行)は住宅投資の過熱などを抑えるため、年初から市場金利を高めに誘導し、それが住宅ローン金利などに波及した。さらに各地の地方政府が不動産の購入や売却を厳しく制限した。

 1~9月の不動産販売面積は前年同期比10%増と1~6月の16%から鈍化。9月単月では前年割れだった。特に大都市が大きく落ち込み、北京の9月の中古物件の販売件数は3月の約3分の1。北京の不動産仲介業者は「価格も下がり始め、買い手が様子見している」と嘆く。民間投資も1~9月に6%増と減速し、投資全体の足を引っ張った。金利の上昇で採算が合いにくいためだ。

 環境規制も響く。以前は中央が旗を振っても地方政府は経済成長や税収を優先し、企業の違反を見て見ぬふりした。ところが違反を放置した1万人規模の地方官僚が17年にかけて摘発されたことで、環境保護部門の査察が猛烈に厳しくなった。

 外交関係者は「河北省などは環境基準をわずかでも超えると、しゃくし定規に工場の停止や閉鎖を迫る」と話す。1~9月の工業生産も環境負荷の大きなセメント、コークスなどが低迷した。

 ただ17年の成長目標「6.5%前後」は達成が確実で、通年の成長率が16年(6.7%)を上回る可能性がある。18日開幕した5年に1度の共産党大会に向けて、中国当局が政策対応で景気を安定させてきたためだ。

 下支え役の一つは道路や空港などインフラ建設だ。1~9月に前年同期比20%増と、投資全体に占める比率は22%と過去最高水準とみられる。16、17年と大規模な企業減税も実施。国際通貨基金(IMF)によると、中国の「広義の財政赤字」の国内総生産(GDP)比は17年に12.6%と2年連続で12%を超える。

 習氏は18日、党大会の活動報告で、中国経済について「『質が第一』との方針を堅持し、効率を優先する」とした。景気腰折れの恐れがなければ、不動産バブル抑制や厳しい環境規制を続ける構えだ。党大会終了後、中国経済は緩やかに成長が鈍化する可能性がある。

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