2018年11月17日(土)

17衆院選 具体策のない成長戦略では成長できぬ

2017/10/18 22:46
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経済協力開発機構(OECD)によれば、日本経済の実力である潜在成長率は0.7%程度である。人口が減るなかで実力を高めるには、生産性を上げねばならない。衆院選でその具体策をめぐる論戦がほとんどみられないのは残念だ。

自民党は公約で、ロボット、あらゆるモノがネットにつながるIoT、人工知能(AI)などによる「生産性革命」を掲げた。着眼点は正しくても、スローガンだけが先行している印象だ。

「大胆な税制、予算、規制改革などあらゆる政策を総動員する」というが、その中身を語らなければ単なる決意表明だ。

いかに人材を成熟企業から成長企業へと円滑に移動させるか。成長力の乏しい企業を退出させるか。こうした新陳代謝を促す構造改革も各党は語るべきだ。

AIやIoTなどによる技術革新の促進を唱えているのは希望の党も同じだ。問題は「大胆な規制・社会変革」の中身がいまひとつ判然としないことだ。

生産性上昇のカギを握るのは規制改革だ。新規参入を促して競争が活発になれば、民間の創意工夫で画期的な商品やサービスを生みやすくなる。

それなのに規制改革の具体策といえば、日本維新の会が株式会社の農地所有の解禁や解雇紛争の金銭解決などを訴える程度だ。立憲民主党は「再生可能エネルギー・省エネ技術への投資」に力点を置き、規制改革を素通りしている。

一般の乗用車の相乗り(ライドシェア)を認めるのか。IT(情報技術)を使った遠隔服薬指導や遠隔診療を認めるのか。社民党は「相乗り反対」を明言しているが、他の党もこうした各論への賛否を明らかにしてほしい。

保護主義的なトランプ米政権の誕生や、英国の欧州連合(EU)離脱決定があっても、経済のグローバル化の流れは止まらない。

日本はアジア太平洋地域の成長力を取り込みつつ、自らも農業などの市場を開いて地域の成長に貢献する。そんな通商政策も大事な成長戦略だが、公約に掲げなかった各党の問題意識は低すぎる。

具体策のない成長戦略では、成長できない。各党は分配やバラマキに熱心な一方、ときに痛みも伴う構造改革から目を背けている。

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