2019年8月20日(火)

17衆院選 現実を見据え安保政策の議論を深めよう

2017/10/17 23:38
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国の安全保障への有権者の関心が高まっている。北朝鮮の核・ミサイル開発で緊張が増す中の衆院解散には批判も根強いが、いま選挙にあえて臨む以上は、現実の脅威を見据えて議論を深める機会にすべきだ。

北朝鮮は国際社会の警告を無視して9月に6回目の核実験を強行し、日本上空を通過する弾道ミサイル発射を繰り返している。

安倍晋三首相は2015年に成立した安全保障関連法について「この法律を作っておいて本当によかった」と語り、与党は自衛隊と米軍の緊密な協力の重要性を強調する。希望の党、日本維新の会、日本のこころは安保法を評価。共産、立憲民主、社民各党は違憲だとして見直しを訴えている。

北朝鮮の脅威への対応は、政治が最優先で考えるべき課題だ。平和的解決を目指すのは当然だが、圧力をかけなければ北朝鮮が蛮行をやめないのも現実である。対話と圧力の兼ね合いが難しい。

まずは外交だ。日米韓3カ国は結束し、国際社会による包囲網を築く必要がある。国連安全保障理事会が9月11日に採択した北朝鮮への石油供給を実質3割削減する制裁の厳格な履行のため、中国やロシアなど関係国に働きかけを強めていくべきだ。

一方で北朝鮮が核・ミサイル開発をどうしても中止しない場合、米国が軍事的な解決をめざす可能性が出てくる。日本に直接の被害が及ぶ恐れもある。国民の保護、テロ対策、難民流入への備え、米軍に対する後方支援など検討しておくべき課題は多い。

政府は来年にかけて防衛大綱の見直しと中期防衛力整備計画の議論を本格化する予定だ。ミサイル防衛の拡充に加えて、自民党内には防衛費の増額や敵基地攻撃能力の保有を検討すべきだとの声がある。日本維新の会は公約で「防衛費の国内総生産(GDP)1%枠の撤廃」を掲げた。

日本の外交や安全保障政策の基本戦略について、各党は一定の共通認識を持っておくべきだ。北朝鮮による核開発や日本人拉致事件、中国の海洋進出など対処を急ぐべき懸案が山積している。

国民の危機感をいたずらにあおるような言動は慎むべきだ。しかし最悪の事態も想定して備えるのが危機管理の要諦である。

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