2019年8月25日(日)

17衆院選 女性や高齢者の就業促す抜本策を示せ

2017/10/16 23:31
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人口減少が進み、労働力不足への対応は急務だ。女性や高齢者の就業をいかに促すかがカギを握っている。短時間勤務制度の導入など企業自身が取り組むべきことは多いが、後押しするのは政策の役割である。

女性の就労促進で最優先にすべきは待機児童対策だ。野村総合研究所の推計では、今春、保育施設に入れなかった子どもは34.6万人いた。国が集計している待機児童数の2.6万人を大きく上回る。最初からあきらめて申し込まなかった女性が多数いるためで、潜在的な就労意欲は高い。

自民党が2020年度までに32万人分の保育の受け皿を整備するとしたのをはじめ、多くの党が待機児童対策を公約に掲げる。しかし、肝心なのは実行力だ。

気がかりは待機児童対策が教育無償化の陰に隠れてしまっていることだ。保育サービスを増やすための財源などをもっと語ってほしい。民間の力を生かし良質なサービスを広げる工夫も必要だ。

既婚女性が働く時間を抑えることにつながる配偶者控除も抜本的な見直しが要る。だが主要な論点にはなっていない。税と社会保険を一体で改革する議論を急がなければならない。

長時間労働を抑えた働きやすい環境づくりや、職業紹介、能力開発の強化で仕事に就きやすくすることも大事だ。こうした取り組みで高齢者の就業も促せる。

残業を規制するなど長時間労働の是正は各党が掲げる。しかし、職を得やすい柔軟な労働市場づくりの具体策を示す政党は少ない。ハローワーク業務の民間開放を進めて競争を活発にし、職業紹介サービスを充実させるなど、思い切った改革が必要ではないか。

産業構造の変化で能力開発の重要性は増している。公共職業訓練の改革を一部の政党が掲げるが、その中身は見えない。たとえば民間事業者への訓練の委託を広げ、IT(情報技術)関連の講座の拡充を急ぐべきだ。

与党は大学などで社会人が学び直す「リカレント教育」を広げ、希望の党も大学による高齢者の受け入れを推進するとしている。問題は仕事に生かせる知識や技能を効果的に習得できるかだ。講師の派遣で企業が大学に協力するのを促すような工夫が必要だろう。

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