ロシア外交、北朝鮮テコ 南北対話探り影響力演出
対米交渉呼び水の思惑

緊迫 北朝鮮
ヨーロッパ
2017/10/17 2:30
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【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン政権が北朝鮮との関係を対米外交カードに利用しようとしている。自国で開く国際会議に北朝鮮や韓国など関係国の代表を招いて南北対話を実現する機会を探るほか、ロシア議員団らの訪朝も相次ぐ。北朝鮮との「仲介役」を演出することで、影響力の確保を狙っている。

ロシア上院のマトビエンコ議長は16日、サンクトペテルブルクでの国際会議を訪れた北朝鮮と韓国の代表とそれぞれ会談した。マトビエンコ氏は両国の直接会談を呼びかけたが、北朝鮮が米韓合同軍事演習などに反発し、実現していない。

マトビエンコ氏と会談した北朝鮮の最高人民会議副議長はトランプ米大統領の国連演説を受けて出された金正恩(キム・ジョンウン)委員長の声明を手渡し、「核兵器保有が唯一の自己防衛手段」との見解を改めて示したという。

韓国との会談が約30分だったのに対し、北朝鮮とは約1時間半に及んだ。終了後にマトビエンコ氏は北朝鮮問題を巡る6カ国協議の再開を主張。「対話に向けて最大限努力する」と働きかけを続ける意向を強調した。

19日からはモスクワで核不拡散についての国際会議を主催する。同会議には北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)北米局長と、米国のウェンディ・シャーマン元国務次官が参加する見通し。この機会に、米朝が核問題を巡って接触する可能性が指摘されている。

ロシアは北朝鮮とのパイプづくりにも取り組んでいる。ロシア議会の議員団が10月初旬、平壌で北朝鮮高官と会談したのに続き、11日にはタス通信のミハイロフ社長が訪朝し、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と会談した。タス通信は「米国とは話し合える雰囲気ではない」と軍事行動をちらつかせる米国を非難する李氏の主張を報じた。

北朝鮮への圧力を強めるトランプ米政権に対し、プーチン政権は中国とともに対話を主張してきた。北朝鮮に対する制裁強化を決めた9月の国連安全保障理事会の決議を巡っても、採決直前まで否定的な立場を示し、米国に揺さぶりをかけた経緯がある。

こうした一連の動きには、北朝鮮問題を米国との交渉カードにしたいというロシアの思惑も透ける。ウクライナ侵攻を巡って米欧から制裁を受けるロシアは、2016年の米大統領選に介入したとみられており、米国との関係をさらに冷え込ませた。北朝鮮問題への影響力をテコに、米国との関係修復の呼び水にする狙いがあると指摘する声もある。

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